星くずの正体

私は星くずをくれた その人をずっと待ってた

いつかまた会えたら 必ず言わなきゃいけない事が


「昨日も来なかったし、その前の日も来なかった。

今日は来るかな?」


あっ!! 来た


「こんぺいとうだったよ。こんぺいとうでしょ?」


ほっぺたを膨らませて、その人を睨みつけて言った。


私の勢いに驚いた顔で


「その名前 どうしたの?」

って言った。


「あれから家に帰ってもらった 星くず… じゃない

こんぺいとう をお姉ちゃんに

『はい お姉ちゃん 星くずあげる』って、渡したら

『何言ってんの? これは金平糖よ ありがと』

って笑われたんだから。」



苦笑いをしながらその人は


「そうか」

って言った。


「でもね あれ は本当に星くずなんだよ」


って言われても こんぺいとう だもの。

私のこと 子供だと思って

もっと真っ赤っかな顔で腕を組んで

睨みをきかせた。


それでもその人は静かに笑って


「星くず見てみるかい?」

って こんぺいとう が入った巾着を開いて見せてくれた。


中には 星がたくさん きらきら 光って

ゆっくりくるくる 回っていた。


こんぺいとう は 星くずなの?

わたしは頭がこんがらがってた。


「これは内緒 秘密だよ」


人差し指を立ててそう言うと

その人は去って行った。



秘密を持った私はその夜

熱を出して寝込んでしまった。

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