R18乙女ゲームの主人公に転生した俺が処女クリアを目指していたら氷姫という二つ名を手に入れていた話
鉄分
第1話 氷姫
「なぁ姫さんよ、今日は俺と遊ばねぇか?」
「却下」
「ねぇねぇヒメさん!今週末試合があるんだけど良かったら見にきてよ!」
「忙しいから無理」
「おい姫野!次のテストこそ俺が勝つ!」
「そう」
「ごめんねヒメちゃん。手伝って貰っちゃって」
「申し訳ないと思うなら1人で終わらせてください。では」
多種多様なイケメン達
その誘いを
「いつ見ても美人だよねぇ…」
「顔も良いのに勉強も出来て運動もそつなくこなすし」
「生徒会でもないのに先生からも頼られて、ホントすごいよね」
美女の名前は「
この学園の2年生
整った顔立ちに抜群のスタイル
学年一位の秀才にして
教師陣からも信頼が厚い
そして…
「おいお前アタックしてみろよ!」
「いやいやいや!この前100人切りを達成したって話知らないのか!?」
相当モテる
それだけの美貌と才を持ってすれば当然なのだが、それはもう不自然なくらいにモテる
「っておい!噂をすれば…」
「あ、あの!」
命知らずの男子が声をかける
「なんですか」
それに対し姫野は淡々と返す
決して目線は合わせず、まるでゴミでも見るかのような目で見下している
「す、好きです!お友達からお願いします!」
「論外」
一言
論外というたったの一言で切り伏せた
「おーこわ…記念すべき101人目だな」
「にしても毎回毎回ちゃんと返してくれるのは偉いよなぁ」
「中にはそれが話せる機会だーってんで告白するバカもいるらしいぜ」
数多くの告白を断ってきた姫野
あまりにも冷たく、一切の
そうして付いたあだ名は
「氷姫」
今日も今日とて男共を薙ぎ倒して帰路に着く
明日も、明後日も、氷姫は1人で我が道を行くのだった
「ただいま」
「あ、おかえりー氷華…ご飯にする?」
「ごめん、後で」
「はーい」
家に帰り、料理を作っている母親の誘いを断り、足早に2階の自室に戻る
鞄をベッドに投げつけ、服を脱ぎ
いつもの部屋着に着替える
「はぁぁぁぁぁ……」
そのままベッドに倒れ、大きな溜め息をつく
(今日は疲れた…どいつもこいつも声かけてくるし…)
(2年生になるとこんなにキツいのかよ…)
同人ゲーム
「ワタシとキミのイケない恋」
R18の乙女ゲームで、女の子が主人公
とある学園に入学した主人公は、そこで様々なイケメン達と出会う
そのイケメン達と仲良くなって、恋人になっていく
そんなゲームなのだが…
このゲームにはとある設定があった
それは主人公が不感症である、ということ
つまるところ自慰行為だろうがなんだろうが感じない、というものだった
しかし、イケメン達との愛を育む過程で徐々に感じることが出来るようになる…
といった流れだ
そんな題材を元にしてるからなのだろうが
エロシーンがとんでもなく多い
隙あらば本番をしだす
前戯なんて当たり前
ルートによっては胸糞悪いのだってある
モブをたぶらかせばビッチエンドもいける
凄まじい自由度とゲームのクオリティ
それらも然ることながら本番シーンも素晴らしく、男でも使えると評判になったのだ
同人ゲームが大好きだった俺も当然の如くプレイしたのだが…
「いやー…神ゲーだった…」
数日かけてメインルートを走りきり、久々の神ゲーに出会えたことで心身共にスッキリした俺は眠りについた
何事もなく明日を迎えるはずだった
あなたの名前を入力してね
「」
(…ん?確かこの画面って)
俺は夢を見た
(あー…やりすぎでついに夢に出てきたか)
そう思っていた
(そうだなー…あんまりやる気なかったけど処女エンドやりてぇな)
(んでもってお堅くいくなら…ポチポチ)
「姫野 氷華」
(うわぉ完璧)
これでよろしいですか?
「姫野 氷華」
▲はい ▽いいえ
(はいはい…おっけーおっけー)
では、いってらっしゃい
あの時いいえを押していれば
俺は…
「ちょっと氷華ー寝てるの~?ご飯よー」
母親の声が聞こえる
どうやら夢を見ていたらしい
「ごめーん、今いくー」
こうして私は家族の待つ食卓へと戻っていった
進行中の目的
「男の子と仲良くなろう!」
期限
「学園卒業まで」
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