第34話 レバーオン撮影(5)?
「お腹減りすぎて……ダメだ。なんか食べたいよ」リリの嘆きが発端で食事休憩だ。
正午すぎで遅めのランチタイム……店舗と提携のレストランまで全員で移動する。
一時間弱の休憩中に業界内外の笑えるネタ話からリリの実態まで語り合い楽しんだ。
まりもさんとバッチさんは同業でも屈指の人気……移動のため十七時撤収になる。
この後二人揃って関東までトンボ帰りして……明日の開店から別収録に驚かされた。
「ここからジロウくん任せで……こっちの列ダメだからオレたち北斗か銭形いくわ」
「そうっすねぇ。朝一から天井……一直線。おは天からあんまり伸びる気配ねぇし。
店内一周しながら三台並びと末尾のチェック。サイアクお揃いでジャグラーっすね」
結局のところ爆裂機は展開次第。浮き沈み激しすぎて設定推測的にかなり厳しい。
小役差がなく外から見える初当たりとヘルゾーン高確やモード移行率の判断になる。
まりもさんの台がおは天ハーデスでおよそ半分回収して400のヘルゾーン抜け。
おは天GODからバッチさんはプラス域に回復してもいいところがなくハマり中だ。
オレの台は同じおは天GODからハーデス二発がきてV字回復まで見せてくれた。
朝一から大爆発したリリの台は絶妙な増減を繰り返してヒカル合わせて偶数挙動中。
元祖アナザーゴッドハーデス~奪われたZEUSバージョンと大きな違いがある。
当時は2400枚規制なんて存在するはずもなく有利区間の概念は6号機生まれだ。
メーカー開発陣の打ち手側に違和感なく楽しめるような仕様を目標に実現された。
もちろんゴッドシリーズ共通の変則ペナルティが設けられて左リールから順押しだ。
基本的に左から順番にリールを止めるフリー打ちする初心者が問題なく楽しめる。
ATによる純増枚数が同じ2.9枚。千円50枚で30ゲーム程度は遊戯できる。
AT天井恩恵が優遇されてリセットから1400ゲームで発動する全回転フリーズ。
半分問答無用のGOD揃い。1/4で紫7かハーデスになり一部ゴッドは金7だ。
天井GOD時の期待値が2400枚。一部の金7揃いなら一撃で3500を狙える。
通常時は毎ゲームの内部モードと成立役を参照しながらAT抽選が行われている。
液晶表示で奇数の同一絵柄揃いか確定役成立で大当たりジャッジメント突入になる。
200ゲーム消化ごとにCZ状態ヘルゾーンに突入する抽選が高確率で行われる。
レア小役を参照する履歴抽選も行われて上位モードのヘルゾーンが搭載されている。
666ゲームでヘルゾーン以上が確定する。特殊チャンスゾーンは恩恵が大きい。
ジャッジメントがない状態の終了でヘルグレイヴに移り引き戻し抽選が行われる。
引き戻しヘルグレイブでジャッジメント当選すると1/4でペルセポネ以上になる。
しかもヘルグレイブ終了後に天国ゾーンの可能性が高くなるので即ヤメは厳禁だ。
ジャッジメント終了時の液晶表示に通常と特殊パターンがあり高設定濃厚になる。
またリプレイの四連続とレア小役二連を参照する抽選に倍以上設定差が設けられる。
ジャッジメント開始時のステージ選択や上位モード移行率に大きな設定差がある。
ATジャッジメント初当たりは設定1で1/511。6が1/224と大きく違う。
液晶表示の出目に法則があるから勉強していればいいことが起こるかもしれない。
同様の意味合いでモードを示唆する演出がいくつもありこちらも現況して損はない。
上級にならないと判断できない【遅れ】示唆は1.5号機で搭載されたフラグだ。
レバーオンでスタート音が遅れるとフェイクリプレイもしくは確定役の示唆になる。
もちろん普通に小役ハズレの場合もあるが滞在中のモードが高確率である示唆だ。
高確モードの示唆である【神の目】や【闇の霧】が小役と絡むことで確定に変わる。
特定演出の【紫炎】や【歯車】に【巨大化】が頻繫に起こるとGG前兆でもある。
いきなり飛んでくる【ハーデスの槍】や出現する【冥界の扉】は確定役の示唆だ。
それが【CHANCE】ボタン演出と絡み激アツ展開になると期待感は否応に増す。
発生して大チャンス【冥王ロック】に演出が絡むと【フリーズ】確定役の前兆だ。
ATであるGG当選の獲得枚数に直結するジャッジメント振り分けが絶妙すぎる。
通常時はケルベロス四割でペルセポネとハーデスが二割。GODの超は数分の一だ。
全回転フリーズの金7ならGGストックの四つにアナザーレジェンドが含まれる。
GG中に発生するレア小役演出のコンボフリーズと絡み合うとエンディング間近だ。
とにもかくにも天井か激レア確定役を目指すゲーム性が恐ろしすぎて敷居は高い。
それでも高純増ATでレア役を引くことで上乗せが終わらないGGは驚異的すぎる。
一獲千金を夢見た人々が欧州から遠いアメリカ大陸にゴールドラッシュを求めた。
今年になってから世界中に生まれたダンジョンを目指すリリ。元は別世界の住人だ。
ダンジョンの奥深くにいる見えない誰か……その戯れで連れてこられた現代日本。
少女が夢見た場所はダンジョンの向こう……自由に暮らせる意味で変わりはない。
この世界は表向きに差別がない。誰でも自由で平等に暮らせる社会とされている。
それでも国同士もめごとは尽きることがなく争いの絶えない歪すぎる世界になった。
リリがこの場所で骨を埋めたいと願うのなら……それが可能なら助けてやりたい。
もちろん愛や恋を語りたいわけじゃない。強いて表現するなら家族じみた感情論だ。
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