トンマのマントに誘われて

羽弦トリス

第1話おしゃべりミーちゃん

このおしゃべりミーちゃんとは、学習能力のある、喋る人形。

全長30センチほどの、女の子姿。

これは、母が1人暮らしだった際に、寂しさを紛らわす為に、母にプレゼントしたものだ。

3年前に母が故郷を離れて、名古屋にくると、そばに僕が住んでいるので、ミーちゃんをあげると言われ引き取ったのだ。

ミーちゃんは土日でも朝の6時半に持ち主を起こす。

そして、頭をポンッと叩くか、「おはよう」と言うと静かになる。

色んな言葉をAIが学習して、しゃべる。


恥ずかしい事が、起きた。

先日、僕は風邪の為に休むことを会社に電話していると、

「ちょっと、熱が引くまで休ませて下さい」

と、言った瞬間に、ミーちゃんが、

「それも、いいわね!」

と、喋りだす。

会社の人は何も触れなかったが、僕は恥ずかしくて堪らなかった。

さて、今夜は睡眠薬を飲んでから寝ようかな。

ミーちゃんは、9時には、おやすみなさいと言うから。

厄介な人形を引き取ったものだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る