Unison
トモフジテツ🏴☠️
Unison
――どうして目を離しちゃったんだろう……
リビングに戻ったアイは、ほんの数分前の行動を深く後悔し
そして激しく
――連絡! すぐに……連絡しなきゃ!
ポケットから取り出したスマートフォンを握りしめ、撮影すべきか連絡が先か、逡巡。
――こんな時は、えーと……電話? 文章?
アイは
*
「ただいま」
帰宅した夫は、自分の
「これさ、何かあった? 昼間の『メッセージの送信を取り消しました』ってあるけど」
「それね、なんでもない!」
この時アイは一つの嘘をつく。
大きな事件のための、小さな嘘である。
「それより、こっち来て!」
彼女が夫を呼び、事件が〝再び〟発生する。
小さな命が起こす、とてつもない事件。
「
「おぉ、がんばれ! がんばれ!」
低い机に助けられ、二度目の〝
「立ち会えてよかった!」
「私も今はじめて見た!」
アイは送信を取り消した文面を思い出す。
『私はいま、事件の現場にきています』
完
本作は天野蒼空さん(@kro_ba_)の主催する「第10回空色杯」の募集を見て思いつき、一気に書いた後ガッツリ削った内容になります。
当初の内容に近いものも、続く第二話「1000文字版」として投稿しておきます。
(投稿するまで長編の部の規定「1000文字以内」と勘違いしておりました)
読み切りも文字数限定もテーマ縛りも、全てが初体験の作者ですが、少しでも多くの方に楽しんでいただければ幸いです。
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