12日目『 湖 』
ユウキの笑い声は幻聴だと思いつつも疲れてるのは本当なのでそのまま実家に戻って、リビングに横になった。
どこだったら見つからずに捨てれるのかと、それだけが頭の中を駆け巡るが明確な答えは出ない。そもそも答えがない。
とりあえず疲れてるなら寝なければと思ったが寝つけない。買ってきていた睡眠薬を倍量飲んで無理やり眠りについた。
寝ると必ずユウキが出てくる。
俺自身も夢とわかっているが体は動かないし、俺の意志に反して話は進んでいく。
「山ダメだったな〜。どこに捨てる?山が無理なら海とか川かな?でもそうなるとクーラーボックスから出さなきゃ沈まなさそうだよね。お前も…」
ふと目が覚めると、まだ辺りが暗かったのでそんなに時間は経ってないのかと思ったら11/11の日を跨ぎそうな時間だった。
山が無理なら海とか川と夢でユウキが言っていたが海は遠いし川は浅いので少し行ったところの湖に捨ててくれば良いとは思ったが、山の時みたいに何か工事をしてる可能性もあるので今から湖に下見に向かってみることにした。
湖に着いたが中学生の時に見た時と何ら変わりない湖だった。人の気配もなく、野生動物が出そうな雰囲気である。
ここなら捨てても見つからないし野生動物のせいになるかもしれないと少しだけ希望が見えた。
今、そのまま捨てようかとも思ったがズルズルに腐ってるであろう生首をどう沈めるかで考えがまとまらなかった。錘はあるがクーラーボックスはおそらく沈まないだろう。そうなると生首を取り出さなきゃいけないのかと思うと途方に暮れた。
今日はひとまず帰ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。