5日目『 旅 』

18時過ぎには玄関ドア前からユウキの気配も消えた。しかし、それでも3時間程度は玄関前で粘ってたことになる。ユウキはそういうところがタフだな…と思いながら生首を埋めに行く準備をする。

生首をビニール袋で2重にして包んで氷と一緒にクーラーボックスに入れる。車にシャベルなどの必要なものを積んで、夜の20時過ぎには家を出発した。下道は運転だけで疲れて埋める時にバテそうなので高速道路へ乗った。

道中、車の中は静かだった。

当たり前だ。生首と目が合ってないのだから。

女の生首は何を訴えに俺のところに来たのか、20年前に死んでるはずではないのか?などと色んな疑問が出てくる。生首が喋るという常識の範囲外のことが起きているのでおそらく考えても意味はない。一種の現実逃避だ。


22時半過ぎに予定のパーキングエリアに入って休憩をすることにした。

パーキングエリア内のコンビニでサンドイッチとコーヒーを買った時に思ったが久々な食事な気がする。

思えば女の生首が現れてから食べるのも眠るのおざなりになっていた気がする…と思いながら俺はサンドイッチを食べ始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る