ずれてる
ご飯のにこごり
第1話 即落ち
「成功した!召喚に成功したぞ!!」
「彼以来の成功者だな。」
「そうだな。この国をきっと救ってくれる。」
「な、!なんだあの転生者は!!」
「い、いかん!ケツからビームサーベルが出ておる!座標ずれじゃ!」
「本来、手から出るはずのビームサーベルが!」
痛い!いや痛くない。なんだこれは、ケツが光ってる、蛍にでもなっちまったのか、俺は。おじゃる丸の手下にでもなれってのか女神様よお。転生したらよくある転生ものみてーにビームサーベルで無双してやる気だったのによ、これじゃあ町も歩けねえや。てかなんでこいつらはビームサーベルを知ってんだよ。服もなんかぶかぶかだし、子供にでもなっちまったのか。ああもううざってぇ!俺もジジイだけど。
「やい、ジジイども!これはどういうことだ。これじゃ生活もままならねぇ。歩いただけで地面はズタズタだ。ズボンも履けやしねぇってんだ」
「お嬢様は選ばれたのですよ。かの女神、アストレアに。」
アイツそんな名前だったのかよ。キモすぎだろ。てかお嬢様だぁ。俺はじ、う、そだろ。ねえぞ!
「おい!ジジイども!俺のブツをどこやりやがった!」
「ああそっちもずれているのですね。」
「え、女王アレクシア様。」
「私と同じですね。すぐに慣れますよ。こちらへ、どうぞ」
「おお、どういうことだ。訳が分からねぇ。」
手を引かれて俺はなすがままにきったねぇ階段を上り尽くして、広くて豪華な城の女王の部屋に招かれた。
「あなた、かわいいわね。見たところ7歳くらいかしら。勿体ないわこんなにかわいいのにそんなに眉間に皺を寄せて。私のお洋服をあげますからね。」
「やい、女王、俺のケツの方はほったらかしかい、床がズタズタだぜ。」
「そのことなら大丈夫です。私の服を着ればなんとかなるので。あなた今下着を履いていないですからね、そっちの方もなんとかしますね」
「そういえばそうだったな。だからジジイどもの視線が下向いてたのか、エロジジイどもめ。」
「転生してから鏡、見ました?自分の特徴は覚えておいてください。いろいろと不便ですから。」
「まだ見てねえな。まあガキだろ期待はしてねぇよ。ッ、う、そだろ。こいつは俺が人生で出会った女で一番かわいいぞ。ガキだけどこいつはムラッと来ちまうな。
こりゃエロジジイになるのもわかる。俺だってこんな金髪の天使みたいな子供見たら滅茶苦茶にして、泣かしてやりてえもん。ちょっとくせっ毛で生意気そうな顔もしてるけどまあそこも壊し買いがあっていいな」
「あなたは私の子供としてこの城に住むんですよ。変な気を起こさないでくださいよ。あとこの世界での名前も考えておいてください。」
「それならぴったりのがあるぜ。アリスだ。この見た目ならぴったりだろ。ケツからビームが出る以外な。」
「不思議の国のアリスからとりましたよね。ほんと単純な人ですね。この城に猫はいないしウサギもいないですからね。」
「何ならいるんだよ。」
「ネズミと鯉ならいますね。」
「うちと変わんねぇな。」
「そうですか。ありすちゃん」
「うわ、こっぱずっかしいなそれ。」
「お話はここまでにして早く服を着てください。目のやり場にこまります。」
「いいじゃねぇかよ、女同士だろ。」
「そうですけど。そうじゃないんですよ。」
「か~なんだよ~。めんどくせー奴だなお前。男だろシャキッとしろシャキッと。」
「あ、ばれてたんですね。」
「そりゃバレてるよ。なんか中の人が透けて見えるからな。まあ下手な比喩だけどな。」
「早く言ってくださいよ。ネカマみたいで恥ずかしいじゃないですか。」
「まあ、いいやロリコン同士仲良くしようや。」
「そうですね。よろしくお願いします。」
その夜は、とても長くて、ある程度日が昇り始めてやっと二人は眠った。広くて豪華な部屋は見る影もなくなった。
ずれてる ご飯のにこごり @konitiiha0
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