時計

 午前零時、今日も時計台の鐘が鳴り響く。

 耳をつんざくような音だが、もう慣れてしまった。

 遠くで聞いている君は、これの綺麗な音色を聞いている頃だろうか。

 後ろに気配を感じる。

 私はゆっくりと柵に足をかけた。


「今度こそ、貴方が私を殺してね」


 後ろでするすすり泣きの声と、

 背中に暖かいものが触れた感覚を最後に、

 私は意識を手放した。

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