辿り着く地

第15話 負けた。

数日後に目を覚ますと、麗華が居た。


「麗華。」

「起きた?」

「うん。」

「母ちゃんは?ルカは?」

「ママはもう少ししたら来る。瑠花ちゃんは今連絡する。」


「ありがとう。」

「いいえ。…ねぇ。瑠花ちゃんとどんな関係?」

「友達。」

「あたしがわかんないこと瑠花ちゃんわかってた。」

「なに?」

「あんたが袖引っ張っただけで『怒ってる』って。」

「…いつもは手つねるから。」

「え?」

「うん。あいつがダメな時は手つねる。」

「なんで?」

「…。昔から。」

「いつから?」

「中学の時。」

「付き合ってた?」

「ない。お前だけ。」

「したことは?」

「麗華だけ。」

「ならいい。本当はよくないけど、あたし達に知らせてくれたから許す。」



――――――――――――30分ほどして、母ちゃんとルカが来た。


ルカはベットに座る僕に脇目も振らずキスした。


「馬鹿。めちゃくちゃ心配したじゃん。」

「ごめん。」

「『結婚する』って言いたかったんでしょ?」

「うん。」

「おめでとう。でも、、、やっぱり寂しい。」

「ごめん。」

「麗華には勝てない?」

「うん。」


ルカは僕の目の奥を見た。


「うん。わかった。諦める。」


ルカはそう言って僕の耳に甘噛みした。

我慢したけど、ルカの腕を握っていた。



『大丈夫。全部わかってるから。私は貴方の全てが好き。』


そう耳元で囁いて、帰って行った。







―――――――――――――あれから数年後。


僕と麗華は無事夫婦になって2人だけの生活を送ってっいた。

でも情事の最中、終わった後僕はずっと燻っていた。



何度かルカに連絡しようとしたが、手を止めていた。

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