第8話 救護

 アサミちゃん・・・アサミさんは心配してくれました。


大変、嬉しく思いました心境としては瀕死のノラ犬みたいな気分です。


 私はアサミさんに、ゆっくりと本当の事を話しました。


件のアパートの事、お迎えさんの事、自分が首を吊ろうとした事・・・


 多分、勝手に自分を惨めに思って行動して、かまってもらおうとしただけの本当に、めんどくさいオヤジに成り下がっていました。


「大丈夫・・・取り憑かれていただけでホントの式さんの感情じゃないから」

アサミさんは、そう言って励ましてくださいました。


彼女は、誰か友人に電話をしました。

「あ、もしもしぃーお疲れぇー、あのさI、あんたお清めの塩持ってないかな神社とかの・・・・

うん・・・すぐ使いたいの・・・うん・・・結界張りたいから、

たくさんあると助かるんだけど・・・うん・・・

今?あのさぁ怖い話の式さんのとこ・・・

はぁー?違うわよ・・・うん、疲れてるとこ、ごめんねぇー・・・

え?・・・・うん例の〇〇町の式さんの事務所、悪いけどさぁ・・・

式さん殺されそうなんだ・・・マジで・・・うん・・・じゃ、待ってるから・・・・」


「あの・・・アサミちゃん?・・・」


「ん?大丈夫、今、友達に、お塩頼んだから大丈夫だよ式さん」


「え?」


「でもこんなの応急処置だから、お祓いとか受けないと殺されちゃうよ」


「うん・・・」


「お腹すいてない?」


「すいて・・・ます」食欲があった。


アサミさんは、もろもろ買いに出かけました。


『赤の他人に親切にしてもらうって、こんな時、心に響くなぁ・・・

それにしても、何か心霊対策の話してたな、慣れてるのかな彼女・・・

そうか看護士さんだもんな・・・』


私は、自然に涙が溢れ出し、こっそりと泣いていました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る