第2話 禁止
取材時、友人と二人でいらした看護士Pさんは私に会うのが怖かったらしい。
連載してるとは言え得体の知れないアマチュアライターそりゃそうですよね。
Pさんの友人が怖い噂がある件のアパートに興味本位で、ぶらりと出かけて行き、ちょっと
スマホで写真なんぞ撮って帰ってきた時のこと
Pさんの友人女性の撮った写真に顔が映っていた。
スマホ画面を指で引き伸ばして拡大して見てみたところ
いきなり背中の方から
「フフッ」
と男の声が聞こえてきて部屋の中でパチパチと何かが
『気のせいだ』とPさんの友人は自分に言い聞かせたが
今度は部屋に置いてあったアニメのフィギュアがバタリと倒れ落下してきて怖かったと言う話だった。
「他には何もなかったのですか?」と問うと
「それだけです」と言う返答だったので
「それはちょっと偶然にしては気味が悪いかもしれませんね」と言うと
「はい」と返事があった。
「その写真、見れませんか?」と聞くと
「実は、その写真、私も添付して送ってもらったんですけど・・・」
「はい・・・」
「私のも友人のも写真が開けなくなってエラーになるんです、そのあとスマホ自体がフリーズした状態のまま使えなくなって故障で交換してもらいました・・・」
「全然それだけじゃないじゃないですか二人共なんて立派な霊障くさいですよ」
「れいしょう・・・って何ですか?」
「霊による
しかも男の声が聞こえたというなら付いて来てたかもしれないですストーカーみたいに・・・写真見れなくなって返って良かったんじゃないでしょうか」
「えー、こわーいー・・・・大丈夫でしょうか・・・」
「他に変わった事は、ありませんか?」
「いえ別に・・・」
「例えば肩こり頭痛、金縛り現象とか事故や怪我などです」
「今のところ大丈夫です」
「怪我が軽いうちに、もうそういう場所には近づかないほうが良いですよ」
「ハイ」
そういう内容の取材でしたが結局、不採用にしました。
理由は場所を調べて真似する者が出ては困るからです。
彼女たちは怪しいアパートの適当な噂しか知らないようだったので
余計なことは話しませんでした。
夜な夜な興味本位の若者たちが私の記事のせいで増えてコワイ思いする方が出ても、近所の住人から編集部にクレームが来ても困ります。
お二人は運が良かったと思います。
それとも何かに守れていたとも考えられるでしょうか。
ちょっと話を伺ったつもりでしたが私の脳裏にNさんを救護した日の記憶がよみがえってきて化け物たちの気迫が感じられました。
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