第2話 蒸発

 結局その日は3人とも運良く大勝利となりました。


Bさんが言います。

「のみにでも行くか?」

「いや疲れたから飯食って寝たい」

Aさんは寝不足、尾形さんもそれに賛成。

3人ともスロットで良い設定を掴み閉店近くまで打ち続けヘトヘトでした。


 成績は尾形さん18万プラスAさん14万プラスBさんは12万プラス。

「おいA、今日、俺お前の部屋泊まるか?」

尾形さんは一応に気を使いました。


「いやいいよ、それより俺、今晩ホテルに泊まって風呂入ってゆっくり寝たい・・・」


「あー、でも無駄遣い・・ま、いいか、わかった、じゃ牛丼でも食うか」


あの薄暗いAの部屋を思い出すと御説教も引っ込んでしまいました。


 次の日、朝九時、尾形さんがAさんに電話すると丁度ホテルを出るとこで尾形さんはホテルに車で迎えに行ってあげました。


「おー生き返ったか眠れたみたいだな」


「あーぐっすり・・・でも途中で一回目が覚めて金縛り?っていうのかな動けなくて、もがいてたと思うんだけど気がついたら朝だった」


「かなしばりー?お前、緊張してたんじゃないのかホテルだから・・」


「そうかもね」


「今日どうする、どっかドライブでも行くか?」


「あれBは?」


「疲れたから今日寝てるって、あいつ途中でメダルのまれたからなぁ・・」


「あのさ、これ借りてた、お金・・・Bの分も返しておいて」


「なんだよ、おまえ他にも借金あんだろ俺らいいからそっち全額返してこい俺たちまた貸すからヤバイの返して借用書、破いて捨てろ」


「うん、そうだな、いつ返せるかわかんねぇもんな・・・」


その後、間もなくしてAさんは唐突に行方が、わからなくなってしまいました。

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