穢れなき修道女


 敬虔な信者の純潔の証を引き裂かれ、混乱に喘ぐ少女の首筋に、鋭い牙が突き刺さる。


 じゅるりと響き渡った水音は、突き破られた少女の皮膚の下。

 駆け抜ける熱と恐怖に、少女は全身を震わせた。


 誓いは破られた。

 黒のベールを被った、穢れを知らない少女はもういない。


 血に飢えた獣が

 少女の道を閉ざした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る