穢れなき修道女


 敬虔な信者の純潔の証を引き裂かれ、混乱に喘ぐ少女の首筋に、鋭い牙が突き刺さる。


 じゅるりと響き渡った水音は、突き破られた少女の皮膚の下。

 駆け抜ける熱と恐怖に、少女は全身を震わせた。


 誓いは破られた。

 黒のベールを被った、穢れを知らない少女はもういない。


 血に飢えた獣が

 少女の道を閉ざした。


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