毒を喰む吸血鬼

宵月碧

あなたの毒


 たとえば私が砂漠にいるとして。


 渇いた喉は、身体は、潤いを求めて彷徨い苦しむ。


 たった一滴の水でさえ、欲しくて欲しくて堪らない。


 たとえば私の目の前に、コップ一杯の水を差し出されたら。


 私はそれを飲み干すだろう。


 たとえ毒だとわかっていても。



 あなたにとっての現実を


 愚かな私で満たしてほしい。



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