(二)-16
拓弥は部屋を出ると、さっき通った所とは別のJR線の踏切を渡り、先ほどの県道へ出た。そしてその県道をまっすぐ走って北上していった。今度は身軽になり、走りやすくなった。
拓弥はひたすらに走った。ただひたすらに走っていれば、ランナーズハイでなにも考えなくてすむようになる。そう考えてのことだった。
県道をまっすぐ進み、緩やかな坂を下りると、旧
そのコンビニまで来ると、拓弥はその駐車場で足を止めて小休止した。手足の動きと息づかいに神経が使われていた。気を緩めると翔太のことを思い出しそうになるが、翔太のイメージは既に脳内からは消え去っていた。
息が落ち着く前に、体が冷める前に、拓弥は再び来た道を戻るように走り始めた。夜のとばりと外灯の明かり、そして時々そばを通り抜ける闇を切り裂くライトの光を横目に見ながら、走って行った。
(続く)
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