後編

その後の彼らの処遇ですが……



国王陛下は、息子の行動の責任を取らされ奴隷落ち。

今は鉱山で働かされているそうですわ。


奥様の王妃様は、殿下の教育には全く関わらせてもらえなかったので、特に処罰されることはありませんでした。


ただ王妃様も聖女であらせられ、私も尊敬するお方でした。

自分にも責任はあるとして、教会で修道女として生涯を送ろうとしたのですが、隣国の皇帝陛下の奥様に選ばれてしまいました。


元々皇帝陛下は王妃様のことが好きだったらしいのですが、王妃様は国王陛下との結婚が教会より決められていました。

仕方なくあきらめていたところ、今回の騒動を受けて教会を説得したようですわ。


教会側も、帝国の聖女の数が少し減少気味だったので丁度良かったようです。

それになんだか王妃様も心なしかうれしそうな気がします。

もしかして王妃様も……いえ、これ以上詮索するのは無粋というものですね。


どうか王妃様には幸せになってもらいたいです。



次に処罰されたのは、殿下の教育係を務めていた方たち。


殿下をきちんと教育することができず、教会への叛意を疑われた王国側は、彼らの爵位を降格させ、教会に多額の賠償金を支払うことになりましたわ。


同じ処罰をイリーナ様のご実家の男爵家も受けました。

さらに男爵家は私に対する慰謝料も追加で支払う羽目になったとか。


イリーナ様は男爵家のメイドとの庶子であることが判明したようで、男爵夫人は男爵様と離縁なされてご実家にお戻りになったそうです。

そのためすべての責任は男爵様がお取りになることになったとか。


費用の殆どは王国が立て替えることになりましたが、請求は当然各家々に行いました。

その結果全員の家が領地をすべて手放し、最終的には皆平民になられましたそうです。



残りは今回の事件の主犯のお二人ですね。


まずレオナルド様は、勝手な聖女の任命権を行使。さらには、聖女検定を持っていない方を聖女と詐称した罪により、処刑よりも重い刑に処されましたわ。


不死化処理をされ、神に許されるまで奴隷として生活することを余儀なくされました。

男性である殿下は聖火炙りにできないため、鉱山奴隷として24時間休みなく働かされ、男性女性問わず慰み者にされ……それはもう、大変な日々を送っているそうですわ。


そして最後に男爵令嬢のイリーナ様ですね。


彼女もレオナルド様と同様に、自身を聖女と詐称、それも聖女検定をお持ちでない方の詐称という罪で、教皇猊下が仰ったとおり、不死化処理をされ、神に許されるまで聖火炙りの刑に処されました。


世界中を巡礼している聖火の中では今も彼女が炙られ続けていることでしょう。


お二人とも不死化処理の影響で精神を崩壊することもありません。

神に許され死を迎える時まで正気で居続けなくてはいけません。


……いつか神に許さる日が来るといいですね?


私としてはレオナルド様との婚約が破棄できたので、イリーナ様には感謝しかありませんが。



そんな私は今日も聖女として国のためにその身を尽くしていく所存です。

近々聖女検定5段の試験もあることですし、より一層修練に励みませんと。



皆さま、聖女検定をお持ちかどうかは、きちんと確認しないとダメですよ?

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