初心者限界エッセイ
みずきしげる
あなたは幽霊を信じますか?
私はとても怖がりで、暗闇や大きい音、幽霊が怖い。だけどホラー映画や、心霊現象の動画、お化け屋敷が大好き。でも本当に怖い。そして、幽霊という存在をとても信じている。
あまり見たことはないが、絶対いると思っている。
一度見たことがある。高校の時に夜中に友達と公園で集まって、ベンチに座り、みんなで談笑していた時だった。その時見たのは、私の後ろに立つ、人の影だった。死ぬほど怖かったのを覚えている。怖すぎて即座に友達の膝の上に座り、背中を守ったのを覚えている。
それ以外にも、いるかどうかは分からないが、夜になると日々、幽霊に怯えながら生きている。夜になるとトイレもお風呂も怖い。帰り道も怖い。そのくらい私は怖がりなのだ。
そんな私はある時、ある幽霊に出会った。鼻くその幽霊だ。この幽霊は私がボクシングの練習中によく現れる。
グローブをつけていると、鼻を噛むことはもちろん、ほじることも出来ない。たちの悪い幽霊だ。
練習しながら、
『今絶対鼻くそいるわ。いやもう鼻くそが表に出てるかも。吸い込もう。』
そう思い、吸い込んでも、いなくならない。そこにいる気がする。しかし殴り合っている上に、手にはグローブがついていて、どうしようもできない。でもいるのだ。確実に。見えないけど、いる。気持ちが悪い。そして、もしかして相手にも見えている?ということも、気になって仕方がない。
1ラウンドが終わるごと、休憩のたびに、私は鏡で鼻くそを探す。どこにいるんだ、でてこい、と。しかし、どこにもいない。でも絶対にいるのだ。感覚的にそこにいるのだ。でも見つけることはできず、休憩が終わりまたラウンドが始まる。私は目の前の敵と、鼻くそと戦いながら、その日の練習を終えた。
練習を終えグローブを外し、やっと鼻くそを退治できると思い、鏡の前に立った。
しかし、いない。鼻くそはそこには見当たらなかった。
見えないけど、いる。絶対にそこに何かいる。こんな怪奇現象が私はしょっちゅう起こっている。
これを私は、鼻くその幽霊と呼んでいる。
この世に何か未練がある鼻くそなのだろうか。もう少し一緒に生きてみようと思う。あまりにも悪霊であれば、お祓いも検討する。そして機会があればシモヨシコ先生に聞いてみようと思う。邪気退散。
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