春の終わりの雨
昏い青灰の空から
小魚の群れのように
後から後から
墜ちてくる雨は透明に蒼く
不思議と微かに
潮の匂いがするような気がした
海への道を見失ってから
忘れていたはずの匂いを
春の終わりの雨で
わたしは
どうして思い出したりしたのだろう
また、夏が来る
もう、あの日々は遙か遠いというのに
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