追憶

それでも、あなたを愛していたのだと

思うのです


嘘も裏切りも

憎しみだと思っていた感情すらも

今は不思議に遠く

懐かしく恋しく切ない場面ばかりを

思い出してしまう、わたしは


小高い公園の大きな樹の下が

秘密の場所だった

夕焼け空を見ながら

学生服のわたしたちは初めて手を繋いだ


恋をして

愛を見つけて

それを見失って


あれから

あなたがいなくなってからの年月が

一緒に過ごした時間を越えてしまって


亡きひとよ


わたしは

やっぱりあなたを愛していたのだと

思うのです


まだこうして

ずっと、あなたを覚えているのですもの


ね、そうでしょう?

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