電子の海

見たくないものばかりが

電子の海を流れていく


正論という名の刃物で

切りつけられたものたちは

散り散りにされると

今度は無責任に

忘れ去られていく

体温を失わせるばかりの

底冷えのするような冷酷さに

誰も気づかぬふりをしている


見たくないものばかりが

流れていく電子の海で


心の欠片は冷たい骸になって

こうして、またひとつ沈んでいくのか

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