夢の尻尾

夜明け前に目が覚めて

コン、コンコン、と

乾いた咳をいくつか

闇に落としたあと

また、まぶたを閉じて

夢の尻尾しっぽを探る

指先に感触を残したまま

消えようとしている

懐かしいあの日々の欠片かけら

つかまえたくて



風が窓ガラスを小さく揺らした


あと少し

朝まで時間はあるはずだから

わたしは

ゆっくり息を吐いてから


もう一度

優しい闇に身をゆだねる

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