第3話ピンキーを従属にして海王人での戦いを見たバルキリー騎士団は思ったそうな王人を動かすコーヤを優先的に鍛えねば!

冒険者ギルドから出るとまだ、明るいがオクトパスというタコの海獣は夜中に湖から上がって畑や家畜を襲って食べるのだというので、早めに寝て夜中にオクトパス退治をやろうということになった。

このオクトパスという海獣はこの異世界では気味が悪い、悪魔の使いとか言われていて、食べないのだそうだ。

そう言えば転生前のヨーロッパでも100年前までタコを悪魔の使者だとか言って食べなかったのだが、日本人が美味しく食べるのを見て食べ始め、美味しさが分かって今では普通に食べているとか、そのタコが食べられると思うとテンションが爆上がりである。

1人でニタニタしながら、刺し身も美味しいし、煮ダコも良いし、たこ焼きも良いな、まだ今は飲めないが酒のつまみのわさびダコ、タコの酢物も美味しいかったな等など考える。

村長さんが冒険者ギルドに迎えに来た。

村長さんに連れられて今日泊まる宿屋へと案内される。

王女様と侯爵令嬢が一緒だと聞き、高級感あふれる宿屋を貸し切りにしてくれた。

今日は早めの晩ご飯後、夜まで宿で休む事になった。

1Fの食堂で皆で食事をしているときだった。ローズちゃんが

「キャー、ピンキーちゃんが消えちゃった。何でー。」

「あぁ、海王人へと帰ったんだろ。」

「ウソー、そういうもんなの、そういう事も出来るんだ。ショックー。」

「ローズちゃんには言ったけど、バルキリー騎士団の4人とルビーちゃん約束して欲しい。キーチとピンキーの事は誰にも言わないと約束して欲しいんだ。」

「勿論分かっている。国家機密と考えているから安心してくれ」と代表でミッシェルさんが言うと皆分かってるというように“コクン”と頷くのだった。

そういう話をしていると1人の男が偉そうにやって来て、

「お前達か、海の魔物共を退治するというのは、俺は子爵の使いの者だ。子爵様に挨拶をするのが、礼儀というものだろう。

直ぐに子爵邸まで挨拶に来い!との子爵様の御言葉だ。食事をする暇があったら、すぐに行け。」と横柄な態度をとる。

ローズちゃんとルビーちゃんの2人が立ち上がって言う。

「「これはこれは、大変申し訳ございません。【王女の私】と【侯爵の娘の私】に下々の方が挨拶に来いですか?命令されたことが無かったもので、大変失礼致しましたオーホホホホ。」」と言うと、

バルキリー騎士団のミッシェルさんが

「この方々を侮辱するとは許されないことです。直ぐに子爵とやらに、詫びを入れに来るように言え、さもないと、王族侮辱罪で御家取り潰しもあるぞ。」

「ヒィエエエエッ、大変失礼仕りました。直ぐに子爵様に伝えますので、平にお許しを」と土下座して言う。

ローズちゃんが言う。

「コーヤ君、今後今のような事もあるから、そういう時はこの前あげたパーティー用の服あれを見せれば、この国の大抵の貴族は貴方にひれ伏すはずよ。

なにせあの刺繍にはそういう意味での力があるの。」と言う。

そうなのかと、納得してしまう。服はあの後キーチのアイテムボックスに貴重品等と一緒に入れさせてもらっている。

食事を終えて、それぞれ自分に充てがわれた部屋に行くことになった。

王人の操縦を俺1人でやっていたので、結構神経を使って、疲れが溜まっていた。

部屋は村長さんが用意してくれていて、俺コーヤが2Fの6畳部屋の1人部屋、中はシングルベットしかない部屋である。3Fにローズちゃんが10畳1人部屋、ルビーちゃんが10畳1人部屋、2人の間の部屋にバルキリー騎士団が10畳4人部屋。

自分は食後眠気がした為、ベットしかない部屋で早めに床に入ったのだった。

子爵がお詫びに来たようだがローズ達に任せて部屋で眠りに付く。

寝入りばな部屋をノックする音で目覚め、誰だろう、何かあったのかなとドアを開けると枕を抱えたローズちゃんが居た。

「な~に、なんかよう。」と目をこすりこすり言うとローズちゃんが

「私達婚約したんだし、仲を深めなきゃと思ってね」と真っ赤な顔をしている。

「1人じゃ、怖くて眠れないのかよ。」

「違うわよ、私はもう大人よ」

オッパイも無いガキが何いってんだと思っていると

「ローズ、抜け駆けは許さないわよ。」と枕を持ったルビーちゃんが来て言う。

「はぁ~、お前ら何やってんだ。どうやって赤ちゃんができるかも知らないだろう。明日は早いんだぞ、早く寝ろ。俺は眠いんだ。」そう言うとローズちゃんが

「何言ってんのよ。知らないわけないじゃない。男と女が一緒に部屋で寝たら赤ちゃんが出来るのよ。」と言うとルビーちゃんが笑って言う。

「ローズは無知ね、コウノトリという鳥さんが赤ちゃんを運んでくれるのよ。」

(お前も人の事は言えんだろ)

「俺は眠いからじゃな、」とドアを閉め1人寝たのだが、真夜中にベットで寝ていると左右から小声がする。

(もっと、向こうに寄ってよ落ちちゃうじゃない。)

(何よ、ここも壁いっぱいなのよ。何でシングルベットなのよ。)

う~ん、寝苦しいな。暑いな何かに挟まれているようだ。うん?何だこの声はと思ったときだった。

部屋のドアが”バーン“と空き

「コーヤ殿大変ですローズ姫と、ルビー嬢が居ません。」というミッシェルさんの声が聞こえ部屋に入って来た。

ローズちゃんとルビーちゃんが言う。

「「あなた達、私の邪魔をしないでもらえる。既成事実を作らなきゃいけないの」」

何を言ってるんだコイツラはと思っているとバルキリー騎士団の4人は独身だからか、顔を真っ赤にしている。ミッシェルさんが

「いけません、そういうことは大人になってから行って下さい。我らの任務はローズ姫とルビー嬢の護衛で来ているので、そういう行為はさせられません。」

ローズちゃんが

「早く子供を作ってコーヤ君を虜にしないといけないの、国の為なのよ!」

ルビーちゃんも

「私とコーヤ君が結ばれるのがお父様からの命令でもあるの!あなた達、邪魔はしないで下さる。」

「しかし、まだ早すぎます。もっと愛を深めてから行ってください。」

そういう押し問答が続き、ベットの周囲で監視するかのようにずっと寝ずの番を4人はするつもりらしい。

夜中の海獣オクトパス討伐に支障を来すと思ったのでサロンさんから教わって覚えたばかりの白魔法スリープをローズちゃんとルビーちゃんに掛けて眠らせる。

白魔法の上位に光魔法があり、光魔法の上位に聖神魔法があり、その聖神魔法の属性を持つ俺は下位の白魔法の属性をも持つ為、直ぐに覚えることができた。

今では白魔法のスリープ、ヒール、キュア、ディスペル等を覚えていた。その属性を持つということは覚え易いらしい。

ローズちゃんを抱っこしてミッシェルさんに渡し、ルビーちゃんを抱っこしてメーラさんに渡して、

「俺は海王人を見廻りに行きながら、今日は海王人の中で泊まりますので」そう言って海王人まで行き、ピンキーを呼ぶと王人の背中が開き通路が伸びてくる。

中に入ると、ピンキーが宙を泳いで来る。

「ピンキーお前空を飛べたのか?」と聞くと”キュキュッ、キュ~イ“と泣くが何を言っているのか分からない。まぁいいかと、

「ピンキーここで寝かせてくれ」と言うと

”キュ~イ“と言う。Okのようだ。・・・多分。なので、中に入りキーチのアイテムボックスに入れてあった冒険者用のキャンプ用の枕と毛布と布団をだして、

「キーチ、ピンキー悪いが夜中に起こしてくれ、」とお願いして、毛布に包まって寝たのであった。

キーチとピンキーは寝る事はないので、ピンキーの背中にキーチが乗ってピンキーは宙を泳ぎながら飛んで遊んでいる。

真夜中、キーチから念波で起こされる。

「親分、お嫁さんが読んでますよ。」

誰のことかなと外を見るとローズちゃんとルビーちゃんが来てて、外から呼ぶ声がする。

「「コーヤ君、時間ですよー、起きてる。」」

ローズちゃんとルビーちゃんの2人であった。真っ暗だが、ぐっすり眠れたようだ。スッキルしている。

宿屋よりここで寝たほうが邪魔するヤツが居なくていいかも知れない。

中の物をキーチのアイテムボックスに収納してもらう。

俺の肩掛けバックに2人が入って行く。

海王人から出ると、2人して、俺の左右の両腕に手を組んでくる。

「「早く、出発前にごはん食べに行こう。」」と上機嫌である。

ミッシェルさんに後で聞いたが2人共”事は成した“と思ったそうだ。

旨くミッシェルさんが言いくるめたらしいが、チョットだけ何を言ったのか気になり怖い。

皆んなで、ご飯を食べ準備をしてる時にキーチに「闇狂人の解析とかは終わったのか?」と聞くと

『ヘイ、親分闇狂人は魔族が魔核に魂を移転させてました。今回たまたま、その魔核ごと斬り裂いてましたので倒せていました。

本体の魔族は魂を斬り裂かれましたので消滅したことでしょう。

ただ、悪魔は魔核を2つ、3つ持っているのが普通で、上位悪魔は5つ持っているのもいました。その時はその魔核を5つ斬り裂かなければ悪魔は消滅しません。

今回の収穫は闇狂人はエクストラスキルに呪い食いという不思議なスキルを持ってました敵から奪ったスキルは親分と共有スキルとなり、互いに使えることができますので後で確認をしておいてください。

他にもスキルにあったMAPと索敵も奪って、固有スキルに移しましたので、親分も普通に使えますので、確認をしておいてください。』そういうのでしばらく見ていなかったステータスを確認することにする。

ワクワクする俺だった。何せオークの大軍や闇狂人等を倒しているのでかなりLvがUpしているはずである。

コーヤ 5才 男 人族 称号=異世界に呼ばれた全ての種族の希望 加護=創世神の加護•聖光天神マーシャの加護 状態=良 職業=学生•仮H冒険者 Lv=5 Hp=63/63 Mp=77/77 精神p=100070/100070 力=57 魔力=70 精神力=1052 精神波=552 魔導波=552 知力=151 敏捷=72 防御力=54 運=75

スキル=剣術Lv2、盾術Lv1、槍術Lv1、弓術Lv1、投擲Lv1、火魔法Lv1、水魔法Lv1、風魔法Lv1、土魔法Lv1、白魔法Lv2、薬草採取Lv1、言語理解、自己鑑定

固有スキル=聖神魔法、召喚魔法(神王人=従属キーチ、)、ティムLv4(キーチ、ピンキー)

共有スキル=索敵、MAP、呪い食い、

エクストラスキル=合体、リンク

あ、あれ~??、変だな、なぜだか俺のLvがアップしてない。厳しい訓練でほんの少しステータスがアップしているし、槍術や風魔法、土魔法や白魔法などは修得して共有スキルとかも付いているけれど、肝心なLvがUpしてない。キーチに

「キーチ、おかしいぞ、あんなに沢山のオークや闇狂人を倒したのにLvがアップしてないんだ。」

キーチが申し訳無さそうに言う。

「ヘイ、親分それはですね、親分ではなく神王人が倒したことになっているからです。神王人を使って魔物を倒してもLvUpに必要な魔素値が親分には入らないんです。」

「ウッソー、あんなに必死で頑張って苦労して、倒したのに俺には何もなしかよ。(実際は共有スキルは入っている)

じゃLvUpするには、王人を使わずにこの手で魔物を倒さないといけないってことか?。まじかよ~、う~、世の中そんなに簡単には行かないか、まあ、いいさ。」と開き直ることにした。

冒険者の服に着換え、古い胸当てを装備し剣と盾と、盾の内側に小さな魔法の杖を装備して、いつでも使える様に貼り付ける。

自分の手で魔物を倒さないとLvUpしないと言われたのでその準備だった。

海王人に全員乗り、早速キーチからの共有スキルのMAPと索敵を使うと反応がある湖の近くの畑へ向かう。

MAPには赤い三角が有り、その赤い三角がオクトパスと表示されている。そこへ行くと畑の真ん中に大きな岩があるが海獣オクトパスは見えない為、海王人から皆で降りて、探してみる。

何でここに岩があるんだろうと思っていると擬態を解き、イキナリ目が光、岩がヌルヌル、ヌメヌメ、クネクネのオクトパスに変わり、木や石だと思っていたのが触手に変わり、近くにいたバルキリー騎士団4人の足に絡まる。

「キャ~パンツが見えちゃうイヤーン。足を持ち上げないでよ~。スケベ!」

「キャー、イヤー何処に触手を伸ばしているのよー、吸盤が吸い付いて取れない~。アハ~ん、ウフ~ン、。ヤー」

「スケベ、エッチやめて~ああ~ん、パンツを降ろさないで、ヌルヌルが気持ち悪~いのよ。ああ~ん。」

「イヤ~ン、オッパイを揉むのをやめてアハァ~ン、イヤァ~ン。」

イロっぽい声で4人が悶えている。

魔物というのは普通食べやすい子供を狙うものだが子供のローズちゃんとルビーちゃんには見向きもしない。

分かっているねとオクトパスに心でエールを送っていると自分の足にも触手が絡まってきた。

持っていた剣で触手を斬り裂き、ローズちゃんとルビーちゃんの方を見ると、さぞ怖がって震えているだろうなと、思ったら、

ローズちゃんとルビーちゃんの2人は、4人の大人のエロさを勉強するかの如く目を開きじっと見ている。

俺ももう少し見たいが、そういうわけにも行かないので

「ローズちゃん、ルビーちゃん魔法で援護してくれ、海の魔物は火魔法が効くそうだ。」そう言って剣を抜きオクトパスの触手を切り裂いていく。

オクトパスに突進しながらバルキリー騎士団に絡み付いている触手を切り裂くと、後ろから援護のファイアーボールが次々と飛んできてオクトパスの気を反らし、そのお陰で4人を救出すると、魔導師のマリンさんが怒って炎魔法の炎竜巻燃焼爆の呪文を放ち、オクトパスは炎の竜巻に巻き上がりながら上空で大爆発を起こして消滅してしまった。

オクトパスの討伐証明部位は足の触手の為、自分の足に、まだ張り付いている触手を後で冒険者ギルドに持って行ったのであった。

今回は海王人を使うことなく倒したのである。バルキリー騎士団の4人の悶えるのも見れて俺の心はウフフフフなのだが、楽しみにしていたタコ料理が食べられなかったので気分はダダ下がりであった。

バルキリー騎士団の4人はオクトパスのヌルヌルヌメヌメベトベトが気持ち悪いと直ぐに宿屋へ戻りお風呂に入ったのである。

その頃に夜が白み始めてきた。

弁当を多めにもらって次の100mの大きさの魔物ガメガに向かう。

亀のスッポンの魔物で、スッポンの様に長い首を持ち一度噛み付いたら離さないらしい。魔物ガメガの討伐部位は尻尾との事。

何時も湖から朝方顔を出して、出港する船を見張りその船を襲うのだとか。

オクトパスが食えないならと昔、スッポン鍋を一度先輩に連れられて食べたのが美味かったなと1人ニヤニヤしてしまう。今度こそ食うぞスッポン鍋。

海王人に全員乗り込み目撃場所へと向かうとこちらを200m先の湖から頭だけを出して、見てる魔物ガメガがいる。

海王人ではなく俺の手で倒してLvUpを計りたい。なので、ガメガを何とか陸に上げたい。

ピンキーは操縦席にいる俺の膝の上にキーチと一緒にいる。そのピンキーに

「ピンキー、ガメガを陸に上げたいが何か手はないか?」

”キュキュキュ~イ、キュ~キュ~ッ“そう鳴き海王人のスキルが表示される。その中に投網と合ったので

「ピンキー、投網を使う準備をしてくれ」

と言うとルビーちゃんが

「あら、何で湖の中で海王人を使って倒さないの?その方が早く、すぐ倒せるでしょ。」

「そうなんだが、この前オークや闇狂人を倒した時、LvUpがしてないんだ。キーチに聞いたら神王人にLvUpに必要な魔素が全部行ったらしいんだ。だから、ガメガを陸に上げてこの手で倒そうと思う。

それに、湖の中で倒したら素材や討伐部位の尻尾、魔石等の回収が大変だろ。

それに、すっぽんの肉にはコラーゲンというゼリー状の物があって、それを食べると顔のシミやソバカスやシワまでも取って若返らせてくれるらしいぞ。」美容に興味がない為、うろ覚えのことを言うと

バルキリー騎士団の4人が食い付いてきた。

「コーヤ殿、それは本当かね。必ずガメガは倒して、ぜひ美味しく食べねばならない。フフフフフいいことを聞いたぞ。」と張り切っている。

バルキリー騎士団の4人は30才近くなる為、異世界では行き遅れになるらしく、結婚を焦っていた。

顔にもシミやソバカス、シワが少しずつ侵食して皮膚も乾燥してきているからだ。

だから食事の際もよく、騎士団のどの男性がタイプだとか、あの人は私に惚れているとか、誰々さんが誰々さんに告白をしたとか、誰々さんはたくましくてステキとか、あの人と付き合えたらなとか、早く結婚して家庭を持ちたい等の恋話が絶えなかった。キーチはよく聞いていたが俺は興味がなかった。

チョットしてからピンキーが

“キュキュキュー”と鳴き、Okの様なので

魔物ガメガに向けて「投網発射。」

”キュキューウ“と鳴き海王人のお腹から網が300m飛んでいき、先端で”ブワー“と広がりガメガを包み込むので、それを海王人で陸まで引っ張り上げると逃げようと抵抗する。

逃げないように、ガメガを引っくり返して甲羅を下にして、お腹側を上にする。

これでガメガは動けずに首を使って起き上がろうとするはずである。つまり、弱点の首を晒すことになる。

ここで、海王人から全員降りる。

ガメガも俺等の殺気(イヤ、バルキリー騎士団4人の食い気)に気付いたのか弱点の首を守るべく甲羅の中に首や手足、尻尾までも甲羅の中に引っ込め、完全にブロックして、出て来ない。

ここで時間を取られると次の討伐に間に合わない。どうしょうかと思っていたら魔導師のマリンさんが

「炎魔法で下から燃やしてやる。そうすれば、そのまま食べられるわ。ふふふふふ、コラーゲン美味しく頂きます。これで、若返り、結婚できる。」と目を血走らせて言いながら、呪文を唱える。

「チョット、マリンさんやめて!俺のLvUpが出来なくなっちゃう」俺の声はマリンさんには届かなかったようで、甲羅の下に向けて炎魔法の煉獄炎を放つ。

ガメガは炎に包まれ、思わず首を伸ばして炎から逃げようとする。

慌ててた俺は、LvUpのチャンスと首に向け走り剣で斬りつけるべく剣を振り上げたときだった。

ガメガが怒って俺に噛み付いてきたのだ。

”ガブリ“噛み付きそのまま飲み込もうとする。それを見ていたルビーちゃんが機転を効かせて海王人に乗り、足でガメガのお腹を踏みつけて倒してしまった。

その際、ガメガが俺を吐き出し助かったのだった。ピンキーも力を貸したのだろう。足が完全に甲羅まで達していたのだから。

ルビーちゃんが言う。

「私のお陰で助かったんだからね。貸し1よ。ふふふふふ。」と不気味に笑うのであった。

その後は、ガメガの甲羅を鍋にしてグツグツ煮込んで美味しく食べたのだが、流石に7人で腹一杯食べても大分残ってしまい、残りは勿体ないのでキーチのアイテムボックスに入れたのだった。

何せ、キーチのアイテムボックスは収納無限で時間停止の為、劣化せずに何時までもアツアツのガメガを食べることができるのだから皆喜んでいる。

(後日談として、シワが無くなり、エロっぽさがましたバルキリー騎士団の4人は俺の取り持つ中で意中の人と結ばれるのだった。その話はもう少し後で)

さあ、腹も膨れたので最後の魔獣シーサーペイント、100mの大きさだが海王人からすると小さい。

早速ウミヘビの魔獣退治に行く。討伐部位は長い舌である。

湖に浮く船に巻き付き襲い、船をバラバラにしてしまうのだとか。

海王人に全員乗り込み崖の滝のところへ向かう。そこが良く目撃されているそうだ。

その滝のある場所は滝の裏に湖を守る水龍様がいると言われている場所のようだ。

共有スキルのMAPを使うとそこにいた。

ピンキーに「何か武器はないか」と聞くと

”キュキュユーイ、キキュウ“と鳴き武器がズラッと出てくる。目に付いたのに、モリがあるので、「モリを出してくれ」と言うと右手に200mの海王人と同じ大きさのモリが現れる。

それを握りしめ、魔獣シーサーペイントに向かうが水の抵抗がかなりあり、思うように動けずスローモーションの様な動きになってしまう。

シーサーペイントの前に行きモリを突くが思うように動かず、水の抵抗でヒョロヒョロとしか、モリは伸びて行かない。

それをいいことにシーサーペイントは軽く躱しながら水魔法のウォターアローを何度も放ってきて水の抵抗が邪魔をして躱すことができずに全弾まともにあってしまう。

その度に”ドドーン、ババーン“と凄い音と振動が伝わって来る。

「クソーッ、何なんだこの水の抵抗は、思うように身体が動かせない。」そう呟いたときだったバルキリー騎士団の4人が俺の不甲斐ない戦いに文句を言い始める。

「違う違う、こう身体をひねりこう躱すんだ。違う右から躱せ。」

「槍を付く要領でモリを突くんだ、そうじゃない、こうだ。敵がこう来たらこうイナシナガラ敵にモリで叩くんだ。突くんだ。素早く動かないと当たらんぞ。」

「動きが遅いこれなら、亀のほうが早い、もっと素早く動け。そこだ、避けろ。」

「水の抵抗と言い訳するな!鍛練が足らん、何を訓練してたんだ。敵に集中して躱しながらモリを付くんだ。」

後ろからヤイのヤイの言ってくるので俺は少々パニクって、イライラしてくる。

「師匠達うるさくて戦いに集中出来ないですよ。俺はヤレルだけのことをやってます。」

「バカモーン、四の五の言わずに言われたとおりに動けばいいんだ。そんなヤワな槍術を教えたつもりはないぞ。

そんなヘナチョコ槍術では虫も殺せんぞ。特訓だ。帰ったら猛特訓をしてやる。」と槍術を教えてくれているメーラさんが興奮して言ってくる。

その時だった。魔獣シーサーペイントが海王人の右手に噛み付き右手に身体を巻き付けてくる。

そうすると、敵は動きが止まり、格好の獲物とかす。

やっと捕まえることができ、口に手を突っ込み顎から引き裂いで倒すことができたのであった。海王人は、アイテムボックスと違い収納ボックスと言うのがあるが無限や時間停止とかはなく、海王人の背丈の半分程を収納出来るらしい。

「ふぅ~、何とかノルマ達成したな。ピンキーお腹のハッチの収納ボックスを開けてシーサーペイントを収納してくれ。」

頭の額に魔石を持っているので回収を忘れない。ただ、ドデカイ為に尻尾の方の素材は諦める他なかった。

”キュキューイ“ピンキーはそう言って回収を終えると、さぁ帰ろうかとしたときだった。

後ろから”ドオオオーン“と衝撃を受けて滝の下までふっ飛ばされ、何事かと見るとそこに海王人よりもドデカイ水竜300mがいた。水竜は水龍と違い、水竜は知恵も理性もなく、本能のままで生きる魔獣の部類に入る。姿形はまるで、ワニのクロコダイルそっくりだ、モリを水竜に構える。

水竜が突進してくるのでモリを突くが、避けられて尻尾で湖底まで吹っ飛ばされる。

すると、湖の底に溜まっていた泥が舞い上がり、湖の底の泥の為、視界がほぼゼロとなり、何も見えない。

海王人のセンサーを使いコチラからの位置は分かる為、近付いた際にモリを突くと、動きの遅いモリのせいで避けられて尻尾の攻撃をモロに受け、滝下の崖岩にモロにぶつかり崖にのめり込み、崖の岩が落ちて来て岩によって埋もれていまう。

「アガー、おぉーイテテテテッビックリしたな、皆怪我はないか、大丈夫か?」

「ビックリしたけど、問題はないわ、それより海王人の方は大丈夫なの」

「ああ、問題ない様だ」

海王人は頑丈で、中は不思議なもので海王人が、ぶっ飛ばされようが、逆立ちしようが、操縦席の中は何時も水平に保っていて、衝撃緩和が施されているらしくて、さほど衝撃を受けないのであった。

自分の痛いと言う言葉はある意味大袈裟だった。

キーチが後ろを指差しながら念波で

『親分、向こうから誰か呼んでいます。』

と言うので、そこを見ると、巨大な洞窟があり、奥まで続いている。ローズちゃんもそこを見て、

「滝の下の裏にこんな、洞窟があるなんて、もしかして、水龍様と何か関係があるのかしら、行ってみない?」

海王人は岩に埋まっているが、洞窟にはまり込んだ様になっている。

中は空気があるようだ。

丁度海王人の背中の出入り口の所は、水面から出ているのでピンキーに開けてもらう。中は真っ暗で海王人からは、少しだけ見えていたのは、海王人のスキルのお陰のようだ。

自分以外の6人は、生活魔法のライトを放ちながら、周囲を観察している。

洞窟の広さは横30m✕縦50mの大きさでビックリする程デカイ。

洞窟の中は少しデコボコで、俺は上を見ながら歩いていた為、躓いて転んでしまう。

俺の前には肩掛けバックがあり、その中にはキーチとピンキーが入っている為、庇うように両手で地面に手を着くと岩の鋭いところで切ってしまう。かすり傷で血がにじむ程度だ。

肩掛けバックの中の2人を心配して、確認の為触ると、ピンキーの身体に俺の血が付きピンキーの身体が光、その光が俺の中に入って来た。これは、覚えがあるので、

「ピンキー、お前なのか」と聞くと念波で

『あいでしゅ~、親ビン、親ビンの従属に成りましたので今後もよろしくでしゅ。』

と気が抜けるような喋りをピンキーはするのだった。

ローズちゃん、ルビーちゃんの2人が

「「どうしたの、コーヤ君大丈夫」」

と聞く。どうやら、先程の光は見えていないようだ。

「ごめんごめん、躓いて転んじゃった。大丈夫だから、問題ないよ。」

「じゃ、先に進むわね。」とミッシェルさんが言う。

少し進むと、巨大なドアが見えてきた。

ドアは横25m✕縦40m頑丈な傷一つない鉄の扉で、観音開きのドアである。俺以外の6人で押してもビクトもしない。ミッシェルさんが

「これは、開けるのは無理っぽいですね。」

そう言うので俺もドアを押して見る。

俺の手の血がドアに付くと、そこから、光始め、ドア全体が光、少しずつドアが開いていく。

中が少し見えるぐらいで開けるのを止め、中を除くと、黄金の山が幾つもある。

中に入って行くが6人は何故か入れない。

「何これ、結界でも張ってあるの?待ってよコーヤ君。何で私達入れないのよ。この膜のせいで中が見えないわ。」

そこで、俺を呼ぶ声がハッキリと聞こえた。

恐る恐る中に行くと、奥に巨大な龍が身体全体を黒くして横たわっている。

死んでいるのかなと、頭を撫でると、その龍は片目を開き、念波で話しかけて来る。

『おお~、間に合いましたな、全ての種族の希望の方、私は転生間近なときに、毒狂人の激毒にやられて、転生することもできず、消滅するところでした。

最後に貴方様にお会いできて幸せです。これで、思い残すことは無く消滅することができます。』

するとキーチが、

『親分、親分の聖神魔法を使う許可をください。その魔法で劇毒を消し去ることができます』

「分かった、許可する。遠慮なく使え。」

『ヘイ、親分。聖神魔法エクストラキュア、パーフェクトピュア、エクストラヒール』と立て続けに唱えると

水龍様の身体が光、身体の黒いのが取れ、金色の輝く身体へと変わって行く。

『おおー、これは素晴らしい力が漲っていくようです。お礼に外の水竜モドキのトカゲは、私が倒して来ましょう。』

『イエ、外の水竜モドキのトカゲ如きは親分が簡単に倒せますので結構です。』とキーチが無理難題を言って断ってしまった。

さっきの戦いを見てなかったわけでは無かろうと思うと

『親分、ピンキーが親分の従属になったからには海王人は無敵です。親分のエクストラスキル合体をピンキーとすれば、いいんです。』

「分かった、ピンキー俺と合体だ。」

『あいでしゅ~、親ビンと合体するでしゅ~。』そう言って俺の肩に飛び付くとピンキーが変形し胸当てのようになる。

古い胸当てを外してキーチのアイテムボックスにしまう。

すると、海王人の目線と一致して、俺が海王人そのものになったような感覚が起こるのだった。

水龍さまが『おお~、貴方様は••••』とキーチを見て何か言おうとしたが、首を静かに振り、

『私は転生を行い、暫く眠りに付くとします。この中の宝物は全て、持って行って構いません。そこのウロコとか牙とか角とかは武器、防具作りに重宝するとか、お礼には少ないですが是非受け取ってください。』

そう言って水龍様の身体が光、小さくなって上空へと消えていくのであった。

家が貧乏の名残で、くれると言う物は何でももらう主義なので、遠慮なくキーチのアイテムボックスに全て収納してもらう。

ドアの所に行くと中の様子をドアのスキマから皆んなは声を聞いていたようで、

「コーヤ君の声だけが聞こえて、水龍様の声が聞こえなかったが居たんだな水龍様が?」

「水龍様と話をされたんですか?」

「水龍様は、どんな御姿ですか?」

「水龍様はお元気ですか?」

「水龍様と何を話してたんだ?」

「水龍様は消えたのか、何処に行ったんだ?」

「水龍様に外の水竜を倒してもらおう」

等など色々言ってくる。

「もう大丈夫、外の水竜モドキのトカゲは俺が倒してくるよ」そう言って皆で海王人の元へ向かう。

海王人にピンキーと合体したまま乗り込むと操縦席が、床に消えて行き、丸い魔法円が出来ている上に立つと、身体が少し宙に浮くが足先には地面の感触がある。

6人に椅子を出してあげる。

床から椅子が“スーッ”と出てくるので座ってもらう。

海王人の全面の画面左下にステータス画面が見える。文字は神王人と同じ神代の古代文字で日本語が訳するかのようにその上に出ている。

海王人に積もっている岩を退かすと泥で更に濁って周囲が暗いが、海王人はスキルに立体画像、レーダーMAP、魔素感知というのがあり、

「ピンキー、昼間と同じ様にみえるように、出来るか?」

『あいでしゅ~、親ビン、これでいいですか。』とピンキーが返事をすると

周囲が昼と同じ様に見え、右下に立体MAPに敵の位置まではっきり見える。

水竜がハッキリ、クッキリ映っている。

スキルのジェット水流、推進、潜水と有るのでそれを使い、モリを持ち、水竜まで一気に距離を詰めるが、水の抵抗が一切感じられず地上にいるように、普通に動けるのだった。それどころか水竜モドキが逆にスローモーションのようにゆっくり感じるのだった。

これなら、行けるとモリを水竜に突くとブスリと刺さり、抜き差しをして2度目で水竜がぐったりして簡単に倒したのであった。

キーチが『向こうに狂人の気配がしています。これは、水龍殿が言っていた毒狂人の可能性が高いです。倒しておきましょう。』と指差す。海に繋がっているという方向だ。

水竜をそのまま放っといて、

「よし、急遽変更だ毒狂人を倒すぞ。」

そう言って海王人のジェット水流を使うと背中からランドセルを小さくしたエンジンと翼、プロペラ、足の裏の方にもプロペラが現れ物凄い、スピードで空を飛ぶように水の中を移動する。MAPにやがて、赤い三角が現れ、毒狂人と表示が出てくる。

物凄い距離を移動したはずなのに10分程しか掛かってない。

やがて、海底の大きな岩の上に乗った黒い物体が見える。見た目巨大なナマコで400mの大きさで口と覚しき所から水を吸い取り、尻の方から黒い水を連続出している。

モリでは、攻撃に無駄が出るため変更しようとピンキーに

「ピンキー、武器を交代したい、毒狂人に突っ込んで倒せる武器はないか?」

『あいでしゅ~、親ビンこれなんかどうでしゅ~。』

それは大きな剣を合体させて、切り裂きながら、海王人のスキルの全身刃回転斬りで、口から突っ込んで毒狂人のお腹の中から回転しながら切り裂き、お尻から出るという戦い型だ。

「よしそれで行くぞピンキー補助を頼む」

『あいでしゅ~、任せてください親ビン』

海王人の全身から巨大な剣が無数に現れ海王人の両手にも大きな剣が出現する。

『親ビン、剣の尻の方を合体させて刃を全面に向けて構えてください。』

そういうので両手に合体させた剣を構えると、横に剣の刃が200m程の長さになり、そのまま回転しながら毒狂人の口に突っ込み勢いのまま尻から出ると毒狂人をみじん切りにして簡単に倒したのである。切り裂かれた魔石1つと魔核が2つ出てきた。

それもキーチがアイテムボックスに全ての収納するのだった。

倒した討伐証明部位はキーチが言うには『毒狂人の口で分かると思います』というので、後で出してくれとお願いしておく。

「キーチこの毒の海をそのままにしては置けないから毒を消せないか?」

『ヘイ、親分、聖神魔法を使う許可を下さい。』

「おおっ、遠慮なく使え」

『では、聖神魔法エクセレントキュア、パーフェクトディスペル、•••』範囲魔法をバンバン使って毒の海を綺麗にしていくのであった。

水中から出ると、そこはもう海の海岸線で両サイドにカイエン国の王族派のネクスト街とマルフィ派のエンド街が有り、ローズちゃんがネクスト街に行くように言う。

ネクスト街に向かうと街がパニックになり、慌てている。海王人のスピーカーを使いローズちゃんが言う。

「皆さん、慌てなくてもいいです。私は“ローズ•ロンデム・カイエン王女です。これから行きますがお忍びですので、無礼講でお願いします。」そう言って海王人を港で横に寝かせて背中の位置を合わせてから背中の出入り口を開け出て行くと、この地を納めるネクスト伯爵が部下を連れて迎えに来ていた。

「出迎え、ご苦労さまです。」とローズちゃんとルビーちゃんは貴族の挨拶をして、バルキリー騎士団も後ろに付き添って貴族の対応をする。

俺としては早く帰りたいが、バルキリー騎士団からは、これも王女としての貴族としての仕事だから我慢して欲しいと言われたので、少し離れて付いていく。

全員をネクスト伯爵邸に招かれ、7人全員が食事に招待されるが俺は貴族のマナーとか敬語とか貴族の言葉遣いとかを知らない為、肩身の狭い思いであった。

ローズちゃんとルビーちゃんから

「「こちらは、英雄のコーヤ君です。王人を動かせる唯一人の人で私の婚約者です。」」

と同時に言うと2人は、火花が出るほど互いに睨み合う。

更に肩身が狭くなる俺であった。

ネクスト伯爵が「はっはははは、コーヤ殿はモテますな。羨ましい」

ルビーちゃんが言う。

「こちらの海を荒らしていた、海獣オクトパス、魔獣シーサーペイント、魔物ガメガ、それと水竜を倒し、海の守護神水龍様まで助けたのです。毒の海にしていた毒狂人までもこちらのコーヤ君、私の婚約者が倒しましたのよ。オーホホホホ。」

と言うとローズちゃんも負けてはいない、

「私の婚約者のコーヤ君が、カイエン魔導城塞都市にスタンビートしてきたオークの大軍と闇狂人を簡単に倒しましたの、この辺り一面の毒の海もコーヤ君が王人を使い、聖神魔法で浄化して綺麗にしましたのさすが、私のコーヤ君です。オーホホホホホッ」と話をしている傍ら、バルキリー騎士団はある企みをしていた。

バルキリー騎士団は気付いてしまった。

王人を動かすコーヤが弱いと王人も弱く、このままでは敵に破られるかも知れないことを、徹底的に鍛え強くすることを4人は誓うのであった。

これが、俺の地獄の生活の始まりとなるのであった。

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