短編「一緒ノ未来」(完)

不可世

一話完結

おそらく僕に

命は勿体無い

上手く扱えない上に

誰をも悲しませる


そんな悪影響しか与えれない

だから

それを自覚したから


僕は死ぬことを選んだ

言ってしまえば

残念な人生だった

散々で手探り過ぎる

人生だった


何をしても

裏目に出て

泣かせて

怖がらせて

いつも悪役だった


そんな僕が

せめてもの償いに

クラスメイトの誰よりも早く死のうと思う


ほらもう安心だろ

僕が消えればもう憎む必要もないだろ


じゃ、さよならだ

特筆することは特にないな


でもちょっと

死ぬのが怖いかも


なんて弱音だね

そうだ、僕には飼ってる猫がいたんだ

その面倒頼むな


それくらいかな

心残りは

そういえば、一回だけ一緒に笑えた時もあったね

まーそれも今じゃどうでもいいか


ああ、なんだろな。

ちょっと寂しいかな


あ、ちがう。

これはウソ、

ほら聞き飽きてるだろ

俺っていつも、ホラ吹くだろ

それだよそれ


最期まで強がって

なんか情けないね


も、いっか

じゃお別れだね


別に墓は建てなくていいよ

どうせ墓参りなんて誰も行きたくないだろ


あと、白い花瓶も要らないから

早く、俺の事忘れてほしいし


水を変えるのも面倒だろ


じゃ、そうだな

あ、いや、喋り過ぎだよね。


いさぎよく死のうと思ったのにな。

ダサいよな


な。本当は。

いや。

やっぱなんでもない


最期に話せて良かった

なんか楽になったっていうか


変だね、

俺ってば、なんで涙が


おかしいな

おかしい。。


今頃、思っちまったな

なんだかんだお前たちと居れて

不格好だったけど

ちょっと嬉しかったのかも


な、まだいっしょ。に。。

あ、何言ってんだ俺、


死ぬんだろ今から

死ぬんだろ。。。


ごめんな急に。

安心しろ

俺は飛ぶ

飛ぶから


「ね、」


ぅ、なんだ院長。


「あんた、バカじゃないの」


そうだよな、もう消えるよ


「だから、馬鹿ね」


え?それはどう、いう?


「あんた、それほど悪い奴じゃないわ」


え、でも俺、


「人なんて誰しも愛される訳じゃない、でもねそれが何だって言うの、また生きて愛されようとしないさいよ」


院長、俺に生きろって言うのか


「無責任なのよ、勝手に死んで勝手に助かろうとするなんて、ほんとにバカよ」


でも俺は


「人はね、育つものなの、だから未来で取り返せばいいのよ」


院長。。。


「泣くなんて、女々しいわね、でも、あんたの涙が、生きるきっかけになるなら、わんわん、泣きなさい」


ありがとう、院長。


「おーい、俺らも忘れるなよー「私たちもね「一緒だぞ「安心しなさい


みんなありがとう。。。。

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