ここではないどこかのラー油の話

「この学校、噴水あるじゃん」


「あるね」


「あれさ、噴き出ているのが水じゃなくてラー油だったらどうかな、と思ってさ」


「いや、何人分の年間消費量だよ」


「わからん。そういう妄想が頭によぎった」


「もっとさ、大学生らしい妄想しようよ。やれ彼女ができたらどうしたい、とか、そういう妄想をさ」


「いや、そういうのは思いつかないんだよ。なんだか頭の中がラー油に支配されている」


「どんだけ餃子食わないとそのラー油消費できないんだよ。前世で何かあったのかよ。ラー油食いすぎて死んだ、とか」


「噴水にハウス食品提供とか書いてあったら、さらに面白くない?」


「面白いけどそうじゃねえだろ。そろそろラー油から離れろよ」


「君とはやってられへんわ」


「それはこっちのセリフ、って古い漫才かよ」


「そうだよ。これはネタ帳の中のお話」


「え? そうなの?」


「だから最後に一ネタ振って、こう終わる」


「スターウォーズのロボット、ラー油2D2だっけ?」


「R2D2だろ。いい加減にしなさい」


「ありがとうございました!」

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