悪魔を封じた左手

「くっ……俺の左手に封じられた悪魔が……目覚める……!」


「カットー! もう少し大げさにいってみようか!」


「いや映画の撮影じゃねえよ!? 俺の左手マジやばいんだけど。ほら、なんか痣が浮いてきたし。そしてお前誰だよ!?」


「はい、テイクツー。スタート!」


「俺の話は無視かよ! チクショウ……うわああああ! 俺の左手に和尚が封印した悪魔があああああ! 目覚めて……しまう……! ちなみに和尚は今年還暦を迎えるツルツル頭の」


「カットー! 和尚のくだり、いらねえだろ!」


「いや、封印したの和尚なんだよ。あの近所の寺の。で! 結局お前誰だよ!」


「そうだね。自己紹介しようか。私は君の左手に封印された悪魔のしもべだよ」


「なん……だと……?」


「時間稼ぎさせてもらった」


「うわ……うわああああああああああああ! 悪魔がああああああ!」


「君のノリがよくて助かったよ」

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