16.変化する気持ち

(お薬の効果はお薬で打ち消せるものなのね。そういうところはやっぱりゲームの世界なんだなぁ)


アイテムリストから参照して使えるような、ご都合主義な道具が存在するということは、私たち登場人物からすればラッキーでもある。

良い意味で感心して溜め息が出てしまった。


しっかし、コルフェめ。あのエロガキめ。

盛られた薬のせいとはいえ節操がないじゃないの。

ちょっとでもドキドキさせられた私が何故か損した気分になっている。

ミシュレットさんへしたことに関してはあとできちんと叱って教えておかねばなるまい。


「こ、子供って興味本位でえっちなこと言ってみたりだとか、そういう悪ふざけをするものね……あの子変な術にでもかかっちゃったのかなぁ」


真顔のミシュレットさんを前にしては、とてもじゃないがとぼけきれない。

流石に庇いきれないわ。ごめん、コルフェ。


ミシュレットさんにまで手を出そうとしたなんて、ロビンソンに知れたらどうなるか。

まぁ、ここにいるのはモデルが同じだけの違うミシュレットさんだからその心配はないんだけども。

というか仮にロビンソンが今存在していたとしても、コルフェより三歳も年下だ。

もっと子供だろうし性事情なんて多分よく解っていないかも。


勘がいいのに気遣いもできるミシュレットさんを私も見習いたい。

結局、媚薬の件は黙っていたけれどおそらく彼女は気付いてたと思う。

媚薬を誰が使っただとか、どうしてそんなものがあったんだとか、それ以上は私を詮索することも責めるようなことも言わず彼女も自分の部屋へと帰っていった。


(まぁ、私が故意に仕掛けたわけじゃないし。あれは変態神父がやったことだし。コルフェ自身も本心じゃあなかっただろうしね……)



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る