第2話「時計仕掛けのオレンジ(A Clockwork Orange)」
1971年米映画
製作・脚本・監督 スタンリー・キューブリック
原作はアンソニー・バージェスの同名小説(1960年)
見た目は自然の果物としてのオレンジだが、中身は時計のような機械。
(この映画が製作されたころの時計とは、機械仕掛け(歯車)で時を刻むという、たった一つの機能しかない。カシオのデータバンクだとか、アップル時計などのようなコンピューター機能を持つ時計とは違います。)
また、時計仕掛けと言い、時を刻むという部分より「機械」に意味がある。自然の創造物である人間の豊かな感情や愛情・詩情・倫理観など喪失した「人間擬(もど)きの機械」のことであり、古くは「フランケンシュタイン」1931年米 や「メトロポリス」1932年独という映画で予言されていた「見かけは人間だが人間の心を持たない機械的生き物」のこと。この危険な機械が暴走する、という未来予告の映画です。
簡単に言えば、やがて人造人間フランケンシュタインや、メトロポリスのアンドロイド・マリアのような「時計仕掛けのオレンジ」が、社会(世界)を混乱させだろう、という予言です。1982年には、同じ趣旨の映画が製作されています(「ブレードランナー」米)。
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