北海道N新報 2018年8月3日付
N市の廃棄物処理施設内のカレット選別所に透明なビニール袋に缶と一緒に産まれてすぐの胎児の遺体が運び込まれ、全施設の操業を止めて、警察に通報した。
その遺体は腐敗がひどく、現在遺体がどの地区で出され、運び込まれたのか捜査している。
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びっくりしたわよ。うちの市はビンも缶も一緒に投げる(捨てる)から、コンベアで下から上がって来た袋を割いて、コンベアの下流に配置されてる人たちが缶や瓶、瓶も白いビン、茶色い瓶、その他の瓶と分けていくんだけど、その袋を裂く所に私はいたのよ。
それでコンベアで上がって来た袋を裂いたら、缶に混じって何かナマモノみたいなものが出て来たの。なんだろうと思って、転がして見てみたのよ。
そしたら赤ちゃんじゃない。もう驚いて緊急停止のボタンを押して、班長に来てもらったの。その赤ちゃんこの暑さで…北海道だって暑いのよ、だから腐ってて、顔がでろっと溶けてて、右の目玉が無くなってたの。
もう私はのけぞって、コンベアから離れたわよ。匂いもすごくて、もう、わやよ。猫やヘビの死骸が入ってたことはあったけど、赤ちゃんなんて、もう金輪際ないだろうね。
そう、右の目玉は袋の底にあったみたい。あと紙が一枚入ってたの。メモ用紙みたいなの。
『かいわきらいですか』って。意味がわからなくて。祟られると怖いからすぐに車でお花屋さんに行って、大きな花束を買って供えたわよ。みんなで千円ずつ出し合って。
そして手を合わせたの。もう遺体は警察が運んだ後だけどね。でもやっぱり、人が腐り落ちた顔は怖いわ。夢に見そうだし。
それから1週間現場検証やら、機械の整備、清掃やらで仕事が休みになったのよ。有給使わされたけどね。
それで車で襟裳岬の辺りを回って来たのよ、旦那と泊まりがけで。旦那も夏休みだったからね。その帰りに目についたなんだか鄙びた旅館に泊まったの。夏場だからどこも空いてなくて。
そしたら夜中に金縛りにあって、隣に寝てる旦那に声を掛けようとしたけど、声が出ないのよ。
したっけ突然目の前にあの胎児が現れて、うん、あの顔が腐って目玉がない胎児が、恨めしそうな顔で私を見てるの。そのまま気を失ったわ。
でも翌朝、その話をしたけど、うちの旦那は信じなかったけどね。でも本当に出たんだから、ほんとよ。
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