第50話 ヒイラギさんと犯人の攻略

「ただいまー。」僕らは3人、家に戻った。

玄関で氷川が出迎え。

僕は「氷川、来てたんだ。まさか、大鏡で見てて心配だから来たよ、なんてことは言わないでくれ。」

「トダ、その通りだ。だが違うんだ。」

弁天が「トダ、ありがとう、助かった。」そう言って神様アイテム隠れ蓑をトダに渡した。

「役に立てて嬉しいよ。僕も人間界のこの騒動の解決に一緒に参加しているようだ。」

「そうか氷川だったのか、こんなにたくさんの隠れ蓑人間界には無いから驚いていたんだ。」

氷川が「それで、火祭の神、愛宕は?巫女の石丸はどうだった?」玄関先で立ったまま話していた。ヒイラギさんが「みんなお疲れ様。話は中でゆっくりと聞かせて。」

「ただいまヒイラギさん。」僕らは家の中へ。氷川が手慣れた手つきでお茶を入れる。

香りがたつ。一服。「あー、落ち着く。緑のホシノムラはおいしいな。」

ヒイラギさんが「じゃあ、話を聞かせてくれる?」氷川も姿勢を正し話を聞く。

サラが「おばあちゃんも知ってる、池の宮さん。石丸家は火祭の巫女で神堕ち愛宕と仲間だったの。その火祭を消滅させたのが霧島家。」

「霧島家?あそこは風神様がついてるはずだが?」

サラが続ける「霧島家も色々あるようで、姉のユイ、霧島先生は強力な負の力を風神様、丸太郎に封じられたみたい。それ以来、神事巫女はキリがやってたらしい。」

「それは知らなかった。」ヒイラギさんがお茶を一服。

「霧島先生は八幡先生に恋してて、本当は先生は八幡神社の古狸で。騙されて雨乞い祭の盃を愛宕に盗ませて、とにかく手が込んでいるの。

まるで人間のミステリー小説みたい。今のとことは羽根の妖精が“あの方”、犯人だと私達は思っていて。妖精の目的は池の宮の山ごと自分の陣地にしたいらしく。」

弁天が「氷川、天上界の大鏡に何か映っていなかったか?」

「映っていたよ。」

僕は氷川に「もしかして、雨乞い祭の盃、愛宕が盗んだところも霧島先生にそそのかされたことも全て見た?正確には大鏡を巻き戻しで確認したのか?氷川。」

「その通りだ。羽根の妖精もバッチリ映っていたよ。

学校の学長にヒイラギさんがつないでくれって任務遂行できた。」

「さすがおばあちゃん。」サラが抱きつく。

ヒイラギさんが「しかし、本当の犯人、あの方を見つけるのは少し厄介だ。大鏡に映らないのは、天上界の蚕の大隠れ蓑を着た神様だけだよ。」

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