第13話 『受け継がれる重箱』/うるしの日

漆塗りの三段重におせち料理を詰めるため、大晦日は休みなく炊事。

高卒の無教養な嫁と馬鹿にされながら、お年始もこき使われた。

「としがみさまってなぁに?」

知的好奇心が芽生えた孫の成長を喜べない姑。

代わりに私がなぜなぜ波状攻撃に次々答えた。

教養とは如何に、と重箱の隅をつつき返したくなる。




◆11月13日は「うるしの日」/2023年11月13日作

#140字小説 『受け継がれる重箱』

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