第23話空白の三年間

 仕事を一時期していなくて、家にいた期間があった。

 前の職場で、仕事量が多くて、勤務日数も多いし、対人関係もあまりうまくいかなくて、休職していた。

 そこで、鶴の一声があった。

 職場から傷病手当金を受け取ったらどうかという提案だ。

 その条件を引き受けた私は、暫くの間、傷病手当金を貰いながら、生活していた。

 

 決して楽ではなかったし、金銭的にもそれほど余裕があるわけでもなかった。

 収入がその当時、それしかなかったから、支出が増えるたびに落胆としていた。

 この空白の三年間で、料理を始めて、いろんな趣味が徐々に増えていった。


 丁度コロナウイルスが流行っていたころに、仕事を休んでいたので、その間にできることはないかと考えていた。

 母に言って、料理の仕方を教えてほしいと頼み、包丁の持ち方から野菜の切り方などを一通り学んだ。

 大根やリンゴの皮むきしか最初はやっていなかったが、徐々にいろんな料理を作り始めるようになった。

 

 空白の三年間は家事に没頭できたので、今に生かされている。

 掃除もやったり、洗濯物を干したり、畳んだりする習慣も身についた。

 決してマイナスに作用することはなかった。

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