第24話 ホントに、どうしてこうなった?
どうしてこうなった?
道場の様な広々寒々とした板敷きの室内。
何故か『真剣』を持たされた、僕。
軽く、一振りしてみる。
銘付きでは無いようだけど、バランスも申し分なく良い刀だし。
向かいには、同じく『真剣』を構える、お祖父様。
………………………………全く隙が無いんですけど?
「儂に一太刀でも触れられたら、交際を認めてやる。刀に触れるだけでも良いぞ?」
無表情がこれほど怖いと思ったのは、初めてだしっ!
「但しっ、不甲斐ないようだったら、切り捨てるっ!」
あっ、今日会ってから初めて無表情以外の顔を見せたし。
「涼君〜、頑張って〜?」
………………………………柚香さん?
『大丈夫!私が守ってあげるからねっ?』
ってさっき言ってたのは、何処へ行ったのかな?
仕方ない、さっさと終わらせますか!
「………………………………………えっ?」
「………………………………………おっ!」
「はい、おしまい?」
「………………………………………………」
「………………………………………………」
「………………………………………………これで、よろしいんですよね?」
「…………………………………………儂が一歩も動けんかっただと?」
「良い物をお貸し頂きまして、ありがとうございます。後で手入れをしたく思いますので二振りとも見せてくださいますか?」
弾き飛ばして天井に突き刺さったお祖父様の真剣を見上げながら、お願いしてみた。
これ程良い刀は、滅多には触れないからね。
「………………………………坊主、真剣の手入れまで、出来るのか?」
「はい、母に鍛えられましたので。」
「………………………………後程、坊主のお母様の事も含めて、詳しく話を聞きたい。」
「では、柚香さんとの交際を認めていただけるのですね?」
「………………………………後で話す。柚香、応接室で待つように。」
「お祖父様、約束、しましたよね?」
「……………………………わかっておる!」
………………………………これで、良かったのかな?
ホントに、どうしてこうなった?
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