secret

有登あられ

プロローグ


 この世界の歴史書には説明不能な現象がいくつかある。

 戦争でも経済破綻でも自然災害でもなく本当に唐突に消滅したことになっている国や有名人の原因不明の死、継承権の無い一般人が理由もなしに王位につくなど……。

 挙げればキリがないが一貫してその裏には闇に葬り去られた謎の組織があるのだという。その組織がいつ発足されていつ無くなったのか、ましてや構成員など何もかもが定かでないがいつの間にか一部の学者達の中でいつか解き明かされるべき歴史の浪漫の1つであるとされた。


 しかし、何が問題だったのか。とある国の政府はその歴史は掘り起こしてはならぬものと、研究の禁止を告げた。そのような禁止令を出せば組織の存在を認めるも同然で学者人口は増え研究はより密やかに加速し続けた。


 そんなある日、俺の友が捕まった。


 彼もまた歴史の探求者だったのだ。そして研究仲間数名と共に牢に連れていかれた友。彼がただの居候だった俺に向かって連行される間際口にしたのは意味不明な言葉だった。




「真の歴史を見たければ六つ葉のクローバーを探せ──。」




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