TS転生したけど、ハロウィンでした 〜メインじゃなくて1つの番外です〜

桜田かける

ハロウィンも騒がしい

こちらは自分の処女作である話のスピンオフになります。そちらを先に読んでもらった方が楽しめると思います。

↓本編

https://kakuyomu.jp/works/16817330659437866341


(『』←英語で会話している時に使っています)




とあるハロウィンの日。 (あえか6年生)


「もうそろそろ受験だ.......はぁぁぁぁ....」

この感覚.....前にも味わったっての!高校受験が終わって、なんとなく安堵してたのに.....。

『まぁまぁ....そんなクソデカため息出さないの』

『ため息も出るだろ。勉強なんて面倒くさいのに....受験だなんて....』

『........そんなに退屈なら気分転換しよう!』

.....別に退屈ではないんだけどな。勉強っていう暇つぶしがあるし....。

『気分転換って言っても、何するんだ?』

『今日ってハロウィンじゃん?』

『今日って10月31日か....』

なんとなくもーねの言いたいことがわかった気がする。

どうりで、やたらとコスプレ写真が多いのと、オレンジ色を主体としたイラストが多いわけだ。

『コスプレをしよう!』

『案の定、それかよ.........自分には勉強があるから....』

と俺は逃げようとするが、肩を掴まれた。

『逃がさないよ?』

英語がこれだけ怖いと感じたことはあっただろうかというぐらい怖かった。

『まぁまぁ大丈夫だって!コスプレするって言っても、3^3ぐらいの衣装しかないから!』

『27着じゃねえか!』

3の3乗.....27着。流石に多すぎる。

『まぁ、受験ではいつもの<本気>?を使えばいいでしょ』

『あのなぁ.....私、植物人間になってもいいんか?』

流石になぁ.....。死にたくないわ。

『私、あえかちゃんのこと信じてるから!』

.........推しにそんなことを言われたら何も言えないじゃん......。

『——って思ってそうな顔だね』

『勝手に人の心を読むなよ........それに自分で言ってて恥ずかしくないそれ』

『うん。めっちゃ恥ずかしい』

そう言ってもーねはうずくまる。

『言わんこっちゃない』

まぁ、でも勉強にうんざりしていたのは確かだし、推しと遊べるんだから役得か....。

『わかった。今日は思いっきり遊ぶかぁ....』

まぁ今、夜の8時だけどな....。

『それじゃあ、あえちゃん!レッツゴー!』

『そのあえちゃんやめろ』

『えー。いいじゃん可愛いし』

『なんか鳥肌立つからやめてくれ』

推しにあだ名?で呼ばれることに耐性がない身としてはダメージが大きいのだ。

『じゃあ.......あえかちゃんが私のことをたくさん知ってくれてもっと仲良くなったら言ってもいい?』

『.....いいよ。それなら』



ということで俺たちは夜の街に繰り出していた。

そういうことで今は街を歩いているわけだが....

『なんで、街中をコスプレしながら歩かにゃならんのだ?』

『まぁまぁ......紀元前から物は試しと言ってね.....』

『紀元前ってなんや。紀元前って。昔からでよかっただろ』

「....なんだあのロリ....可愛すぎる.....」

そう聞こえた否や、後ろから人が倒れる音がした。すると後ろからは、

「ひ、人が倒れたぞ⁉︎誰か救急車を‼︎」

と、後ろが騒がしくなった。

『.........自分で言うのもなんだけどさ......自分の姿ってロリコンの方々からしたら毒だと思うんだよ。薬なんだけど....この姿は強すぎだと思うんだよ』

『そう?別にいいと思うんだけど....』

俺は猫耳に猫のしっぽというコスプレの定番の衣装を着させられていた。

元々、転生前の俺はロリコンだったのもあり、ロリコンの気持ちは十分わかっている。

いやぁ.....自分の姿を見た時転生してるからか、そういう感情は湧かなかったけど、ドストライクやなぁ....と思ったもん。そりゃ同じロリコンの方々も倒れるよな....俺だって倒れてるだろうし....。

『それじゃ次の衣装を着ようか!』

『だから私の話を聞けぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎』


それから俺は色々なところに行かされ、色々なコスプレをされた。

サキュバス娘、ドクター娘、牛娘、ウサギ娘、犬娘、狐娘、狼娘、鬼娘、猫又娘、魔法使い娘、巫女娘、魔法少女...etc...。

知り合いの家に行っては、「トリックオアトリート!」と言ってお菓子をもらった。なぜかイタズラされたいからってお菓子をくれなかった人もいたけど....。

全員お姉ちゃんだったので、こちょこちょを1分した後、

「お姉ちゃん、よわ〜い♡」

という口に出していうもんじゃないメ○ガキっぽいことを言っておいた。

お姉ちゃんたちにとっては幸福そのものだったとか。


『いやぁ.....疲れたもんだねぇ』

ともーねがおしるこを飲んでいる。俺もおしるこを飲む。

最近寒くなってきたからなぁ....温かいおしるこは体に染みるなぁ....。

『『最近、寒くなってきたね』』

俺らは同時にそう言った。そして二人して笑った。

『あははは!私たちが考えてることって一緒なんだね』

『なんだかんだ似ているのかもね私たち』

さっきも、二人でおしるこ選ぼうとして指がぶつかったし。

『楽しかった?』

もーねがそう聞いてきた。

『うん。リラックスできたよ』

『.........またコスプレしようね』

『.......うん』

俺たちはベンチに座りながら満天の星々を眺めたのだった。



ー1年後ー

「ってことがあったんだけど」

「うん」

「胡桃さんたちにもコスプレをしてもらおうということで」

「え?」

「安心して?今回は2^5着あるから安心してね?」

「さ、32着.....」

胡桃さんとはなさんは部屋から出ようとするが....

「あれ⁉︎なんで開かない⁉︎」

ドアには鍵がかかっている。

「そ・れ・じゃ。やりましょうか」

そう言ってもーねが試着室に連れて行く。まぁ俺はそう言う感情を抱かないのだが、胡桃さんたちのためだろう。男に見られたくないもんな。


それからコスプレタイムは、朝日が登り始める頃まで続いたのだった。

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