第20話 災難
~原罪竜視点~
神を全て本能に任せて食べ終えると、久しぶりに神を食べた所為か眠くなって来たので寝た。
人間がいたが、取るに足らないだろうと思いつつ寝込んでいった。
頭に痛みが走ると同時に意識がぶれて気が付くと、首輪をされて力と神を食べる本能を抑えられている状態に戻っていた。
それどころか、食べた神も元に戻っていた。
…………どうなっているんだ?
そう考えていると、食べたはずの神がしゃべり出した。
「奴が来たぞ! 原罪竜を解き放つ用意は良いか? 解き放ったらすぐに逃げるんだぞ! じゃないと俺達が食われてしまう!」
「ああ! 任せておけ! こちらの準備は万端だ」
「来たぞ! 予定通りに頼む」
そうして大きな扉から人間が入ってきた。
そうすると神の1人が大声を出して言った。
「よく来たなぁ、
首輪を外された途端。強烈な本能が蘇り、神を食べてくて仕方が無くなりまずは我の首輪を解いた瞬間に首輪を持っていた神を食べてしまった。
その後も、逃げ足の速い神から順に食べていきこの部屋にいる全ての神を食べ終えてしまった。
眠くなったので寝ようかと思った瞬間、人間がいる事を思い出した。
そう言えば前回(?)はここで寝てしまって何故か過去に戻されたんだっけ?
もしかしてこの人間に殺された?
そう考え着いた途端、神以上の脅威だと認識して人間に向かって最大級のブレスを放っていた。
ブレスを吐いて殺ったと思ったら、顎下から脳天まで痛みが走り意識がなくなった。
◇◆◇◆
(3回目)
また首輪をされた状態に戻された。
今度も同じ展開だ。
違うのはブレスを吐いた瞬間にスキップでブレスを吐きながら後ろに飛んだ事だろう。
人間は思惑が外されたのかブレスの中に突っ込んでいく事になった。
だが、ブレスを切り裂いて目前に迫り眉間を貫こうとする。
咄嗟に大きな口を開けて牙で食い殺そうとしたら、歯に刀を打ち込まれたが何とか無事にしのげた。
相手の人間は刀を打ち込んだ反動を使って距離を取った。
距離を取ったと思ったら雷の魔法を使用してきた。
魔法を想定していなかった我は真面に雷の魔法を受けて焼き焦げ、暫くの間肉体を動かす事が出来なかった。
その間に人間は我の頭蓋骨を刀で突き刺して殺した。
◇◆◇◆
(156回目)
戦闘に5分は持つようになったが覚える事が多すぎて困る。1つのミスが死に繋がるから余計に困る。我は神を食ったら寝たいのに何でこんな死神と戦っているのだろうか?
(1957回)
戦闘に入って8分は持つようになった。百数十回目から3分しか延びてないと思うかも知れないが、その3分延ばすのにどれほどの苦労が掛かっていると思っているんだ! もし、我の思考を読む奴が居たらそう怒鳴ってやりたい。
…………あ! 失敗した! 今回も死ぬわ、これ。
・
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~
ダンジョンに入ってすぐに守護者部屋である理由が分かった。守護者である原罪竜のスペックを生かす為に物凄く高くて広い空間を作り上げていたのだ。
食べられてく20人くらいの黒い影の自称神を食べ尽くすと、原罪竜は口を開けてブレスを吐こうとしていた。
ブレスを吐かれる前に前に飛び出て下顎から脳に届くまで刀身を魔力で延ばしてやろうかと思い、前に出ようとした途端に悪寒が走って横に飛び込んで逃げた。
先程居た場所が原罪竜のブレスを収縮させた、まるでレーザー砲のような高密度のエネルギー体が通り過ぎていた。
あれに当たれば俺の持っている刀でも耐えられたかどうか分からない。
気を引き締めて戦に挑む。
初手は原罪竜に任せたから今度はこちらの番だ。
雷の魔法を使い、相手を硬直させる!
そう思い、雷の魔法を使ったら相手は魔法を無効化する魔法を使ってきた。
それだけでは終わる訳にはいかないので、原罪竜の腹の下目がけて走り込んでいく。
しかし原罪竜の下に着こうかという所で原罪竜は腹ばいになり隙間を無くした上に手の爪で攻撃しようとする。
それを直前で反射的に原罪竜の額目がけて飛び、潰れるのを回避した俺は額を攻撃する絶好のチャンスだと思ったが、既に原罪竜がブレスの用意をしていた。
反射の魔法を使ってブレスにそなえると、原罪竜は威力の殆ど無いブレスを吐き反射の魔法に反射されたが威力が殆ど無い為に無傷だった。
それを見た瞬間に一瞬光景が信じられなくて隙が出来た。
その隙を見逃さずに原罪竜は頭突きを放ってきて俺はその頭突きで車に正面衝突したような衝撃と共に壁まで吹っ飛ばされた。
幸いな事に衝撃は古竜の鎧とインナーの鎧と高機能服の耐衝撃が機能してくれたのでなんともない。
追撃してくればやりようがあった物を追撃せずに原罪竜はこちらの様子を不気味に覗っていた。
―――――――――――――――――――――――――――――
今回の被害者:原罪竜
寝ている所を殺されるわ、その後も脳みそ貫かれるわ。
散々な目に遭っています。
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