第27話 ラノベオタク_迷宮探索を行う2

 僕は、護衛というかサポータを伴って、迷宮ダンジョンを進んで行く。

 途中で、スライムとかスケルトンが襲って来た。空間を〈指定〉して、動きを止める。その後は、バラバラにしたり、捩じったり潰したりと、思いのままだ。

 まあ、まだ苦戦するような相手じゃない。この先は、分からないけど。


 その後、フロアボスの扉前に着いた。


「フロアボスの特徴って分かりますか?」


「ゴブリンの大群です。50匹くらいですかね」


 ただの物量か……。ボスは、ホブゴブリンなんだとか。

 興味ないな~。


「ここを抜けないと、次の層に行けませんか? あの3人が50匹に勝てるとは思えないのですが」


「下に行く階段は、別にあります。ただ……、挑んでいた場合は、装備品が落ちているかもしれません」


 彼等の装備を見てないんだけどな。

 その後、負けた冒険者は、カードが残されているかもしれないと教えて貰った。

 面倒だけど、フロアボスに挑むか。ここは、ローラー作戦が、時短になると思う。面倒でもしらみつぶしだよね。



 ボス部屋のドアを開ける。

 腐臭が凄いな……。

 それと……、凄い数の視線だ。

 入るのを躊躇ってしまう。

 でも、行かなければならない。


 進むと、サポーターたちも入って来てくれた。

 奇襲は、なかった。サポーターたちを入り口に待機させて、僕だけ部屋の中央に進む……。

 そうすると、見えて来た。


「一匹だけ大きいのがいる。あれが、ホブゴブリンかな? それと……、ゴブリンが50匹か……」


「ゴアァ!」


 合図だったらしい。ゴブリンが一斉に襲いかかって来た。

 薄暗い中で、色々な武器を持ったゴブリンが、全方位から攻めて来る……。


「面倒だな。僕は範囲攻撃とか持っていないのに。迷宮ダンジョン攻略は、僕には本当に向かないな」


 僕は、〈転移〉を繰り返した。ゴブリンの頭を触れて行く……。

 僕が触れたゴブリンは、紐上に捻じれて行く。手加減の必要ないのが、救いかな。人ではなくて、魔物なので、僕の心も痛まない。つうか、ゴブリンって不快だな~。

スレイヤーがいるのが理解できるかもしれない。(げふん、げふん)


 25回の〈転移〉の後に、ホブゴブリンだけが残った。右手と左手で一度の〈転移〉で2匹ずつ仕留めたからだ。

 うめき声を上げているゴブリンは、後数秒でこと切れるだろう。体の重要器官を捩じるように破壊したからね。

 ちなみに、時間にして1分ってとこかな?

 実に面倒な作業だった。それと、まだ魔力に余裕はある。撤退する理由がない。攻略してしまうか。


 ホブゴブリンは、警戒して攻撃して来ない。

 やる気あるのかな?


「…………グルルゥ」


 僕を観察しているみたいだ。

 意味ないだろうに。見るからに脳筋なのに、考えるなよ。

 時間の無駄だ。


 僕は、ホブゴブリンの背後に〈転移〉した。

 そうすると、狙ったかのように、石斧が襲って来た。


「カウンターを狙う知能は、あるんだな……」


 問題ない。見えている。

 その石斧を躱して、ホブゴブリンの手に触れた。

 ホブゴブリンの形が、徐々に変わって行く……。


「抵抗されている? 時間がかかっているな」


 僕のスキル〈空間湾曲〉に抵抗する術があるんだ……。僕の魔法は、無敵ではなかったらしい。

 もう一度、ホブゴブリンに触る。何時もよりも魔力を多めに込めて……。


 ――グシャ


 プレスしたように、一枚の板になった。

 込める魔力量によっては、一瞬なんだな。覚えておこう。


 これで終わりのはずだ。

 僕は、入り口に向かって歩いた。冒険者ならこの後のことも知っているだろう。



「この後って、どうすればいいですか?」


「魔石の回収と、宝箱の解錠ですね。お手伝いしますよ」


 まあ、任せるか。

 さっきもそうだったけど、ゴブリンの魔石を回収している。お金になりそうだ。

 それと、宝箱だな。

 部屋の中央にPOPした。


 トラップの場合があるそうなので、解錠を任せる。

 そうすると、金銀財宝が出て来たよ。


「大当たりですよ!」


「一層でこれなの?」


 金銀財宝ザックザク。大きな宝石も、美しい武器もある。

 こんなんじゃ、インフレ起きんじゃない?

 時間が惜しいので、宝箱の中身を〈収納〉する。

 そうすると、宝箱が消えた。


 そして……、何かが出て来た。


「武器防具? 古そうですね。なんですかこれ?」


「この部屋で、戦死した者たちの装備ですね。前回の討伐から、倒された者たちの遺留品と考えてください」


 迷宮ダンジョンって便利な機能があるんだな。


「……冒険者カードを集めて貰えますか?」


 100枚くらい集まった。こんな相手に、100人も死亡したの?

 一つ一つ確認して行く。


「……あったよ。皆、チート系スキルを貰っているのに、脱落者が出たか。残り、17人か~」


 油断できない世界だな。3人が死亡してしまった。

 現地人に対して、かなり優位な立場の僕たちでも、死亡することが分かった。


「僕も油断できないな~。負けてらんないし。頑張んないと……」


 もう、迷宮ダンジョンに用はない。帰るか。

 そうそう、もう一つ迷宮ダンジョンの戦利品を見つけたので、持ち帰ろう。

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