死者の魂を迎える日の早朝に、主人公が鈴の音を聞くところから始まります。何だかもうこの時点で雰囲気が好きです。鳥の声すら聞こえないくらいの早朝、まだ夜の気配の残る空気感。その後に続く幻想的で少し恐ろしさを感じさせる場面もとても好きです。ここまで好きしか言ってませんが、肝心の内容についてはまさしく「死者の日の朝」の出来事。死者を迎えるとはどういうことか、故人の遺志を継ぐとはどういうことか。墓守の主人公が本当の意味でその仕事を継いだ瞬間が描かれたお話です。