能力発動
「き、霧山さん?! なんで能力者ってことを喋ったんですか?!」
「え? 別にいいだろ? そんなにやばいことなのか?」
「やばいですって! 俺たち能力を隠した方がいい。ということを話していたというのに」
銀髪の男達は焦っているところ。
「へぇーそうだったんですね。この子たちも能力者。それは頼りがいあります!」
彼女は気にしてないようだ。そのことに
「……。なんで
彼は霧山さんに質問する。
「ここの町ではアニメの能力は認められてて。皆オープンで発動しているんだよ」霧山さんは笑いながら彼らに伝える。
「……そうだったんですね。知らなかったです」
「オレちゃんたちの無知さが身にしみるぜ」彼女は腕に顔を隠すように恥ずかしがる。
「そうそう。だから安心して能力を発動してもいいんだぞ」社長は拳を作り、自分の胸を軽く叩いた。
「……結構一般人に気を遣ってたんだが、無意味だったな。オレちゃん」
「まぁまぁ。公共の場で使ってもいいってことで、ところで、
「まて
「はい、私探している人がいまして」
「探している人?」
「昔。働いていた人に会いたく、最近ここに住んでいるみたいなんですよ」
「なるほど、そうだったんですね。でも私たちに頼まなくても……」
「それが、場所がわからないんですよ……。会いたくても会えなくて」
「それは困りましたね。でも大丈夫ですよ。私の従業員たちが探してくれます」
社長はそう語るも、
「うーん。でも。ペットや迷子の子どもを探すことはあったけど。昔の知り合いを探すことはなかったからできるかな?」
彼が悩んでいると悠輝は口を動かす。
「いままで。はっきーの能力でいってたもんな」
「そうですね。そのくらいなら探せるのですが。今回は難しそう……」
彼はもうお手上げ気味だが、青色がはいった金髪女性は「ふふふ」と口角が上がる。
「ここはオレちゃんの出番だな」
「一ノ瀬さん。居場所ってわかるんですか?」
「あたぼうよ。オレちゃんを誰だと思っている。未来のビッグスターアイドルになる女さ。そんなのオレちゃんの能力で、余裕余裕~」と、悠輝は浮かれていた。
「ウィンピィを使うことはわかっていますが。俺、一度も一ノ瀬さんの能力の詳細知らないから未知数なんですよ」
「そうだな……。何回か、使ったことあったけど。親友に見せるのは初めてだっけ?」
「うーん。もしかしたら一回見たはず……だけど。覚えていなくて」
「だったら。今すぐ見せてやるぜ。
彼女はすぐさま能力を開示。そして、ウィンピィが飛び出してきた。
「うう……。人がいっぱいで怖いよー」オオカミはおびえている。
突如。さっきまでなにもしなかった絵凛は言い出した。
「これがあなたの能力? なんかこどもっぽい」彼女は不満げのようだ。
「あっははは。こどもっぽいところもオレちゃんらしいだろ?」
「どこが!」
「ここはオレちゃんに任せて。ゆっくりしてな。行きましょう。黒墨さん」
「ええ、頼りがいあるわ。えりちゃんは買ってきたケーキでも食べててね」
「ねえ。
「別にいいんだけど。えりちゃんはいかないの?」
その呼び方に
「気安く『えりちゃん』というな! 私が言ってもいいけど、もし私のせいで何かあったら申し訳ないから。信頼できる強さがありそうなあなたに助けてもらいたいの」
「そうなんだ。でも。俺にそういうのはちょっとな……」
「つべこべ言わない! これは依頼主からの追加依頼よ! 私からもお金あげるから」
彼女は財布を出し、二千円を彼に渡した。
「少なくてごめん。でも、私のたった一人のお母さんを守ってほしいの」
「……別にお金なんてあげなくても、お母さんを助けるよ。俺もえりちゃんと一緒の考えさ。」
「だーかーら。私のことを『えりちゃん』と言うな! 言ってもいいのはママちん……。いやいや、お母さんだけだから!」
彼は「わかった」と絵凛に伝え。
オレンジ髪の少女は見送りながら。(私がママちんと言ったこと。聞こえてないといいけど……)と、アゴに手を当て心配する。
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