第80話 従魔狩り

 異世界転生のテンプレ中のテンプレ。

 

 『訪れたギルドで、絡まれる』

 ─────あれってなんでだろうね?主人公は何もしてないのに、建物に入っただけで狙ったかのように絡まれる。

 絡んてくださいオーラでも出てるのかな?


「テメェ聞いてんのかよ!」


─────を自分は只今絶賛体験中らしい。‥‥‥‥ おかしいな?自分はギルドとやらの会員でもないし、ここの職員でもないぞ。

 しかも座っているだけで、いたって何もしてない。


少年と二人で思わず後ろを振り返った。─────誰もいない。


「ウィル君。確認だけど、こいつ等ひょっとして、私に話しかけてる?」


「え~と。僕もびっくりなんですが、どうやらそうみたいです~」


マジやべ~奴らじゃん、何もしてないのに絡んできたよ~頭大丈夫~?(棒)


「─────何?アンタら」


─────何か用?とは聞きません~メンどいじゃん 


「おうおう!俺の仲間がよ!お前の従魔に踏まれて足痛めたんだよ!」


「どう落とし前付けてくれるんだよ!」


「 は? 」


 割とガチで間抜けな声が出た。

自分に従魔とやらはいないのだけど‥‥‥‥。


「ウィル君。私に従魔とやらはいたっけ?」


「従魔云々はさておいて、たぶんシロ君の事だと思います~」


─────あ゛ぁ゛ん?てめぇ 家の弟にケチ付けようってのかい?お姉ちゃん怒っちゃうよ?


─────おい ヤツラだ!

─────街や外で従魔狩りしてる奴らだ

─────ギルドまで来やがったぞ

─────従魔連れてるやつ出た方がいい!

─────おい、長を呼べ!



 私達が絡まれてる間、周りがにわかに慌ただしくなってきた。

 

「おお~いてぇいてぇ!骨がいっちまってるよ」


「冒険者の従魔が人を襲ったんだ!責任とれよな!」


「躾のなってない従魔は手に余るよな~?俺等が代わりに躾てやるよ」


 ─────無理やり論法に?割とガチでキョトンとした。

 説明しよう!シロ君はお座りしたまま動いてません!さっきから「何?こいつ等?意味不」と固まったままです。

こいつ等、こっちが女と年若い少年だけと見て絡んできやがったな。


「踏まれる?ナニソレ、めっちゃご褒美じゃん~」


 肉球に踏まれるって?最高に幸せじゃん~!知らないの~ぷぷぷ

 うっとりするようにそう言うと、何人かの冒険者はうんうんと同意してくれる。


「─────踏まれて折れるようなヤワな足してんだ~‥‥‥‥引退した方がいいんじゃない?」


 煽るように言うと、キレて更に詰めてきた。─────おいおい、あんたさっき足折れてるって言ったじゃん。普通に歩いてんじゃん。

 一歩詰めてくると、背後にもう一人いたことに気付く。そいつは仲間の三人には興味がないのか、コソコソと懐から丸い石を取り出していた。

 

─────アレ、見たことある。


─────ブワッと周りにいた従魔の気配が変わる。


 今までピッタリとくっ付いていた従魔が、主の元を離れてこちらに集まりつつあった。


 あの森にいた魔獣と同じ気配。─────だが



「  ─────てめえぇらぁ!くせぇ─────だよ!表出ろやぁぁぁぁ───── !! 」


 言うと同時に、『縛』を展開。─────男どもを纏めて放り投げた。


 オオオオオオォォォ─────ン!


  ドッガシャ─────ン!!

 

 室内で臭いのを撒かれてはかないません。─────換気や換気

 窓から外へまとめて放り出しました。開けるの忘れたから窓が派手に壊れちゃったよ~

─────ワザとだけど。


 操られかけた従魔達は、シロ君の声に反応して、パチっと糸のような物が切れたようだ。

 ちっちゃいリスの様な従魔は、慌てて主の肩に戻ってスンスンしている。いいな~


『 魔獣の類は強い者に従います。野性の本能ですね 』


 『ナビ』ちゃんが呼んでもないのに出てきた。─────シロ君びいきが過ぎない?

 まあ、反対はしないけど。うちの弟、強い、賢い、かわいい! 反論は受け付けんっ!


「あ~あ~あ~あ~、ガラス割れちゃったじゃな~い。アンタら弁償しなさいよね~」


─────い、いや、アンタの仕業では‥‥‥‥。


 無言の意見が、周りの冒険者達の間で一致した。

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