第5話 環境破壊?知~らない

教科書やテレビでしか見たこともないクレーターが見事に形成されていた。

 

ただし、中心部、─────私。

 

 深さどんだけだよ! 空しか見えないじゃん! 土の壁を眺めているが、ひたっと足に当たるものがあり目をやると、何故か水が急速にたまりつつあった。


「え、何これどっかの水脈でもぶち抜いたの?」


 キョロキョロ見渡すが、水は減ることはなく段々その水量を増していると思われた。


「なんかヤバそう脱出しないと。できるかな?」


 ─────結果。脱出はけっこう簡単に出来ました。いや、だいぶ走りましたが。

 学生以来の全力疾走。走って走って走って、なんだか直角に近い位の崖っぷちを駆け上がっちゃいました。ちょっと土が柔らかかったけど無問題。 はは、何か私、人間やめてね?やめてるよね?

振り返ると元いた場所はすっかり水かさが増してきた。

何だこれ?クレーターごと水に水没するのこれ?地形変わっちゃうじゃん。


「まあ、私の知ったことじゃないか」


 そうだ、私のせいではない。あのキラキラ野郎とピンク頭のせいだ。断じて私のせいではない。


 あらためて周りを見れば鬱蒼とした森の中って感じのところだった。ただし元。

 そりゃそうだよね~ あんな大穴開けば周りも被害が行くよね~

 この森がどれだけ広いか知らないが、だいぶ遠くまで木が倒れまくっている。が、先は見えない、相当広大な森なんだろうということが推察された。


「─────ん?」


違う方角を見やれば、随分でかい山が鎮座していた。かなり標高が高いらしく頂には雪が積もっているらしい‥‥‥‥たぶん‥‥‥‥ピンク色だけど。


 ピンクの山ってなんだよっ光の加減か!と思ったがどうやら違うらしい。本当にピンク山だ。


 ─────とたん、いやなピンク頭を思い出す。

『私の世界』とか言ってやがったな。ということは、やたら派手なあのお山はアイツの象徴みたいなもんか?ここはあいつ等の言っていた異世界なんだろう。ありえるな‥‥‥‥


 膝から崩れ落ちた私の口から、ぶつぶつぶつぶつと呪文のようなつぶやきが勝手に漏れだしてくる。


「‥‥‥‥何‥‥‥‥や ‥‥‥‥やや 二年ぶりだったんだぞ‥‥‥‥チケット ‥‥‥‥アリーナひさしぶりだったのにっっっっっ!」


ガっと握りこぶし大の石をつかみ振りかぶった

 

「なんんんんやこれはぁぁ! ごるあぁぁぁぁ 責任者ででこいやあぁぁぁぁぁぁぁ─────」


学生時代にソフトボールで鍛えた肩がうなる

 苛立ちから放たれた石はゴオありえない音を立てて一瞬にして白く燃え上がり

さらに加速


──── ドっ─────ドンっ─────!!


いろんな物にあたりながらも止まることのないそれは


─────ドオオオォォォオオオンンンン‥‥‥‥


かなり遠くのピンク山を崩壊させた。


 「─────ふん。ざまぁ」

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