第2話 頭突きは正義
「一人で死んでくればよかったのに、他の人巻き込んで来るとかはた迷惑よね~。私も処理に困るじゃない」
今度は正面からどつかれて仰向けに飛ばされるフワンフワンと二回転させられる
「まあ、死ななきゃこっち来れないって言ったのは私だし?まあ今なら誰も気づいてないからこっそり処分─────ギャアッ!」
この野郎‥‥。
「痛ったぁっちょっとなんなのよッ!え?ア゛ッ!ギャアッ!」
─────ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!
何だ、当たるじゃないか。
私は恨みつらみ、邪魔された思いを乗せて、見えない相手に向かって頭突きをかました。
渾身の一発は会心の一撃で、何かブワっと纏わりついたが、そんな事にかまわず相手に連打を喰らわす。
「いやっ!ちょっと!痛ッ!───ギャア」
不思議なことに頭突きを喰らわす度に動きやすく、何かが更に纏わりつく
─────ゴッッッ!
重い一撃は双方をのけ反らせた。 一段と強い纏わりが内部に侵入する。これは何だ?
「─────なんなのよっあんたッ!なんで魂が攻撃できるのよっ!おかしいじゃない!」
魂は力も自我もないただ浮いている、それだけの分際。─────が。
「─────うっせぇぇぇえええ!!!! 推しに会えるチャンス邪魔したテメェ!許されると思ってんのかッ!潰す!!!」
─────ゴっ!!
更に一段重い一撃が加えられた。たまらず相手が倒れるのが分かる。
「‥‥な、なによあんた。なんなのよっなんで魂に口が付いてるのよ。気持ち悪い‥ギャア」
「‥‥‥‥あんたの血の色は何色だ~‥‥‥‥興味あるなあ~」
完全に悪役の台詞だが、今の私に慈悲はない。『推し』を肉眼で見える機会を奪ったやつだ。そんな奴は万死に値する!
「─────おい、お前また何をやったんだっ!地場が荒れてるぞどうしたんだっ!うわっ何コイツ気持ち悪─────」
─────ドゴォッ!
失礼な奴がまた増えた。お前もコイツの仲間か!
渾身頭突きが再度繰り出された。
一段と強い何かが纏わりつき、次の瞬間視界が開けた。
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