ショートストーリー
カズマ
日常
ラーメン
久しぶりに胃がラーメンを食べたい気分になっていた。
スマホの検索機能で「ラーメン ランチ」と検索して、
その中で「昔ながらの町中華」「あっさり醬油ラーメンがオススメ」
とコメントがついたお店に行くことにした。
スマホを片手に住宅地を歩いていると、店の文字のインクがかれて、
排気口に黒ずんだ汚れがこびりついている昔ながらの町中華を
見つけた。普段ならチェーン店で済ませるので、
個人店は食べに行こうと思わない限りなかなか入ろうと
思わないだろう。
引き戸に手をかけて、入店すると、左右の壁に縦文字書かれた料理が
用紙が貼られて、くすんでいるお客さんとお店のおばちゃんとおじさんと
の写真がかざられている。お客さんはカウンターにおじさんが2人、
3人組のおばさんがテーブル席に座っていた。
「いらっしゃいませ、カウンターでよろしいですか」
「はい」
カウントの席に座り、メニュー表を開き、
野菜炒め、チャーハン、餃子、ラーメンなど
ザ・オーソドックスの中華料理が書かれていた。
「すみません」
「はい、注文うがいます」
「醬油ラーメンで」
「醬油ラーメンですね。醬油です」
おばちゃんが厨房にいるおじさんに呼びかけた。
ラーメンが来る間、暇なので、ちりと周りの人が食べている
料理を見ることにした。
おばちゃんたちは談笑しながら、野菜炒め、
餃子、エビチリを食べていた。油のてりつきと匂いが
空腹のお腹を刺激してくる。
カウントのおじさんはチャーハンと
餃子、おまけのワカメの中華スープがついていた。
中華スープの鳥だしの風味とほどよい塩気は絶妙なマッチして
うまそうだ。
「お待たせしました、醬油ラーメンです」
「ありがとうございます」
そんなことをしているとカウンターから醬油ラーメンが来た。
薄い茶色のスープに油が照り返しが白く光り、
薄切りのチャーシュー、正方形の海苔、なるとにメンマ
うん、これぞ町中華のラーメンと言えるだろう。
割りばしは縦に割り、中華麵をすする。
麵は中太、めんは普通の堅さ、安心感すら覚える。
スープをレンゲですする。飲みやすくしつこくないスープが
喉奥に流れ込む。はぁ、美味い。メンマは味が染みていてうまいな。
スープを飲み干して、空の器に手を合わせ「ごちそうさまでした」
と感謝の言葉を告げた。
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