第5話 今更の自己紹介
セビスチャンの報告を終えて俺たちは再び会議を始めることとなった。
「さて、それでこれからどうするかだけど、どうする?」
「いや、その前に1つ良いか?」
さぁこれからというタイミングでアルフレッドが止めてきた。
「なんだ?」
「いや、大したことじゃないんだけどな。その、あかねんとルナ3のことなんだけど」
「私たち?」
「どうしたの」
2人も俺も首を傾げた。
「いや、なんというか、俺の気のせいかもしれないけど、昨日から気になっていたんだが……」
アルフレッドはなんか言いにくそうにしているが、ほんとなんなんだ。
「何が気になっていたのですか? アルフレッド」
アリアロッテも不思議そうにしている。
「ああ、なんというか俺、2人を見たことがある気がするんだけど、いや、別に口説いているわけじゃないぞ」
「あ、あたしも気になってた」
「俺も俺も」
「うんうん」
みんな気になっていたって何だろうか、そう思ってあかねんとルナ3をアリアロッテと2人して見つめてみた。
「あっ! ああ、ああ」
「あっ、そうか!」
2人を見て俺とアリアロッテもみんなが何を気にしているのか気が付いた。
「どったの?」
「あっ、そっか、まだみんなには」
「ああ、当たり前すぎたのと昨日からのことで忘れてたな」
「ええ」
「何がだ?」
「ああいや、みんなにまだ2人の正体を言ってなかったことに今気が付いたよ」
「ああ、そっか、まだ行ってなかったね。そうか、この姿って、そうだもんね」
ここにきてあかねんも気が付いたようだ。
「どういうこと? 2人の正体って」
「いや、悪い、実はな……」
「それじゃ、改めて自己紹介するねぇ。私の本名は御堂あかね、っで」
「私は、杉崎瑠奈です」
「2人で
「ALiMだって!」
「まじかよ! 俺、ファンなんだけど」
「まさか、ほんとに!」
「すげぇ、俺アイドルとゲームやってたのかよ!!!」
2人の正体を知ったみんなが口々に興奮しだした。まぁ、今や落ち着いているけど、だからといってまだまだ人気は高いからな。
「ちょっと待って、それじゃアリアロッテとエリベルトの2人は知ってたってことよね」
「ああ、といってもアリアロッテは最初からだけど、俺が知ったのは組んでからしばらくたったところだったけどな」
「いや、それでも、なんだよぉ、教えろよな」
「悪い悪い、機会がなくてな」
「ごめんね」
「ごめんなさいみんな」
「いやいや、そっか、なるほどな。それ言われると確かに見たことあるはずだよな」
「確かに、というかなんで昨日の時点で気が付かなかったんだろ」
「あはは、確かに」
「まっ、そういうわけだけど、みんなこれからもよろしくね」
「もちろんだぜ」
「うんうん」
ということで話がまとまったのだった。
「ついでだし、みんなもそれぞれ自己紹介しておくか、今まではアバターだったけど、今は本来の姿だし」
「ああ、確かにそうだな。ていうかほかにはいないよな」
「他って、有名人? 見た感じいないと思うけど」
それから俺たちは今更ながらそれぞれ自己紹介をしていった。
エリベルト=
アリアロッテ=
あかねん=
ルナルナルナ=
ダラボラ=
ディアルブ=
ガルマジオ=
フローレン=
サナリース=
タナートス=
リリアン=
アルフレッド=
ミサリオ=
以上となった。というかタナートスって俺が読んでいるラノベの作家だったんだけど。それと、リリアンについては女性陣がわいた。なんでもかなり有名なデザイナーだったらしい。それと、ディアルブって警官だったんだな。なんか警官と聞くと妙に緊張するんだけど、特に悪いことしてないんだけどな。
「いたな」
「ほんとだよね」
「タナートスはともかく、リリアンなんて、私ファンなんだけど」
「私も、というかあこがれだよね。いつか未海デザインの服を着たいって」
「ほんとほんと、そういえば私たちって一度着ているよね」
「ああ、あのコレクションに出た時だよね。でも、私たち会ってないよね」
「私は遠目で2人を見たよ。2人ともきれいで想像以上に似合ってた」
なんていう会話を女性人たちでしている。まぁ、ルナ3とあかねんはアイドルだからファッションショー的なものにモデルとして出て、リリアンの服を着ていてもおかしくないな。
「というかフローレン、俺たちが今着てるのって全部リリアンがデザインしたものだろ」
ここでタナートスがそういったわけだが、そうなんだよな。このゲームはどこまでも自由だったから当然武防具なんかのデザインも自分たちでできる。その際俺たちが身に着けるものは大体リリアンがデザインしていた。というか最初は各々で考えていたんだが、ことあるごとにリリアンが口を出してきたので結局任せることにしたんだよな。
「えっ! ああ、そうだ!」
「ほんとだ。よくみたら確かに未海のデザインだ!」
「うそでしょ、なんで今まで気が付かなかったのよ!」
真実を知り女性人たちがうなだれた。しかし、すぐに嬉しそうにしている。どうやら、リリアンはそれほどに有名デザイナーみたいだ。正直俺は全く知らないんだけど。
「みんなに喜んでもらえて何よりだよぉ」
リリアンもリリアンで満足そうに頷いている。
まぁ、何はともあれ今更ながらの自己紹介は終わったのだった。
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