第12話 無邪気な笑顔

翼「晴嵐くんお待たせ。口に合うといいんだけど」


今日の夜ご飯は、龍がお肉を食べたいというのでメインはハンバーグにした。

後は お肉ばっかではいけないと思い、サラダと味噌汁も作った。


晴嵐は、ハンバーグが余程好きなのか、まるで"早く食べさせろ"と言っているかの様に、目をキラキラさせながら目の前に配膳されたハンバーグと翼を交互に見ている。


翼「はい。ご飯。

いっぱい作ったから、おかわり欲しかったら言ってね」


晴嵐「お、おう」


翼は晴嵐にご飯を渡して、晴嵐の目の前に座った。


翼「頂きます。

って・・・もう食べてる」


晴嵐は、翼が座ったのを合図にハンバーグと ご飯を勢い良く食べ始めた。


晴嵐「このハンバーグうまいな!

昼の弁当でも思ったけどよ お前料理上手だな」


翼「!?」


晴嵐は余程美味しいのか、子どもの様な屈託のない笑顔をしていた。

晴嵐とは昨日会ったばかりだが、恐らく良い意味でも悪い意味でも、真っ直ぐで素直な人なんだろう。

と、翼は晴嵐の笑顔をみて改めて思った。


翼(普段は、目付きが悪くて近寄り難そうなのに、ネコと会話しながら遊ぶ程のネコ好きだったり、無邪気な笑顔でご飯を食べたり、本当不思議な人・・・)


翼がそんな事を考えているとは知らず、晴嵐は次から次へとハンバーグを平らげていた。

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