キズナ
礼友(あやとも)
第1話 出会い
時刻は午後5時。
太陽はまだ完全には沈んでいないため辺りは少し明るい。
朝晩は半袖で過ごすには まだ肌寒いが、昼間は長袖だと少し暑く感じる微妙な季節。
5月は毎年の事ながらハッキリしない そんな季節。
だが、衣替え期間ではない為 行き交う多くの学生が冬服の制服を身につけていた。
「それにしても暑いなぁ。今5月だろ!?」
「だねぇ。これも地球温暖化の影響かな」
都内にある燈縁(とうえん)高校に通う
"七海 翼"と その幼馴染"成瀬 優志"も当然 冬服を身に纏っていた。
優志「アイス食いてぇ・・・」
翼「じゃあコンビニにでも寄って帰る?」
優志「よっしゃ!!翼の奢りだな」
翼「何でそうなるのよ。
アイスくらい自分で買いなさいよ」
優志「ちぇ」
そんな他愛もない話をしながら下校をしていた2人だが、突然 数人の他校の生徒によって道を阻まれた。
「お前 成瀬 優志だな」
目の前にいる他校の生徒は、学ランを着た見るからにガラの悪そうな奴らだった。
優志は、突然話しかけて来たリーダーらしき人物が殺気を飛ばしているのを感じ取り、睨み返しながら翼を背中に隠した。
優志「あ"!?だったらどうなんだよ」
「コイツらを随分 可愛がってくれたらしいな」
優志「知らねぇよ。そんなの」
優志はめんどくさそうに答えた。
「な!?ふざけんな!!
コイツらにケガさせたのはお前だろ!!」
顔に絆創膏やらガーゼを貼った男3人に、リーダーらしき人物が目線を向けた。
「晴嵐さん!!俺達を殴ったのはコイツです!!」
「ほらみろ!!ヤッパリお前じゃねぇか!!」
優志がいくら否定しても、怪我をしている3人がリーダーらしき人物を"晴嵐さん"と呼びながら、優志にやられたと言い張っていた。
優志は、怪我している3人組に視線を移し、懸命に記憶を探った。
優志「・・・。
あーお前ら昨日の。
つうか そっちが絡んできたんじゃねぇか!!
売られた喧嘩を買って何がワリイ!!」
晴嵐「アホなこと抜かすな!!
コイツらがそんな事するか!!」
優志「はぁ!?ふざけんな!!
テメェも殴られてえのか!!」
両者 睨み合いながら今にもお互い殴り掛かりそうな雰囲気だった。
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