第7話 ダンジョンからの脱出

『あ、う』

声すら色っぽい。


『ふふふ、ほらちゃんと立って』

僕の両肩をしっかり支えて、僕を見つめて言った。


『はい』


『で、どう?生命力溜まった?』

なんだかさっきまでの教師とか母親のような感じのルミナスに戻っていた。


『わかりません。見てみます……ステータス開

示』


レベル2

職業:英雄

スキル:女神の加護・英雄の心・創造者(HT:194)

攻撃値:40

防御値:40

俊敏:40

器用:40

知性:40

魔力:40


HTが増えていた。


『HT194です』


『わ!本当!?よかったーギリギリ足りるわね……そしたら、創造者てとこ押してみて。そしたらスキル追加のとこ押して、不知者て頭の中で思えば終わりよ』


『は、はい、わかりました』

僕は言われた通りにステータス画面を押して行った。


(不知者)


<スキル、不知者を獲得>

男の機械音声のような声が聞こえたとともに光る文字が現れた。


『ルミナスさんできました』


『うん、よかった。あと、お姉ちゃんてつけてくれると嬉しいな』

ルミナスは少し寂しそうにお願いしてきた。


『そうでした、すみません』

なんかさっきまでキスした相手とは思えないぐらいルミナスは自然だ。こっちだけが気まずいのは恥ずかしい。


『じゃ、早速行こうねシドくん。あ、でも起きたらシドくんの体は怪我してるんだよね。ん〜〜ま、だけど安心して。杖に近くに残していた万能薬<鳳凰水>があるわ。それを浴びれば完璧ね』



……ダンジョン12階層……


『は』

僕は目を覚ました。

全身が痛い。さっきまでの楽な感覚は完全にない。


(痛、早くルミナスさんが言ってた鳳凰水見つけないと)

僕は当たりを見渡す。


『あった!』

近くに瓶のような物に入っている黄色ぽい液体を見つけた。


(ばしゃ)

僕は躊躇なくその液体を浴びた。

正直痛すぎて迷ってる暇はない。


『ふー』

体から痛みが消えていく。

すごい変な感じだ。


『行くか』

僕は杖を持って通路に入った。



12階層の通路はそれほど1階層のと見た目は変わらない。


『どっちに行けば良いんだ?』

通路に来たは良いものの正直どっちの方向に行けば良いかわからない。


(左の通路に進んで、そしたら分かれ道になるわ、そしたらまた右に進んで)

頭の中からルミナスの声がした。


『わかりました』

どっちに行けば良いかわからないし指示に沿うことにした。


(あ、あと杖は絶対に離さないでね。それがないと道を教えられないわ。あと安心してねお姉ちゃんここのダンジョンの20階層までなら地図を暗唱してるから)



……ダンジョン1階層……


本当に一体に魔物にも会わずにダンジョン内を進めた。

<不知者>はチートだ。これならダンジョンなんて簡単そうだ。


僕が通常の通路とは違う洞窟のように岩肌が露出している通路の前にきた時だった。

(はい!到着!このトンネルを通れば地上に出れるよ)


『そうですか、わかりました』



……ダンジョン出口……


何分か洞窟のような通路を登っていくと

『わ、星がいっぱい』

通路のから小さく見える外かでもわかった。赤、青、黄色の星がたくさんある夜空が見えた。


(はあはあはあはあ)

生まれて初めてみる綺麗な夜空に興奮して気づいた時には僕はダンジョンの通路を走っていた。




(はあはあはあはあ)

『綺麗』

最後の段差を超えてダンジョンの外に出た。

満天の星空が視界に広がっていた。


(出られたわね。久しぶりの外……綺麗)

頭の中にくる声だけでわかる。ルミナスも久しぶりの外に感動していた。


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る