Liar BL版

第1話

タツヤ リクの幼馴染。モテる。どこかズレている。

リク タツヤの幼馴染。タツヤが好き

____

タツヤ「彼女できたから」

リクM「幼馴染のタツヤから告げられた一言…今まで学校の行き帰りも、ちょっとした買い物も、口喧嘩も、何もかも一緒で、漠然とこのままずっと一緒にいられるんじゃないか？なんて思ってた……」

リクM「高校に入ってからも、ずっと一緒に居られる…なんて…」

タツヤ「リク？聞こえた？」

リク「あ……あぁ、彼女ね！うん、聞いてたよ！おめでとう！」

リク「中学生の時には彼女なんて作らなかったのに、やるねぇ！」

タツヤ「……」

リク「まぁ、タツヤはかっこいいし？モテるの知ってたし？いずれは彼女できたーなんて言われると思ってたし？」

タツヤ「嫌じゃねぇの？」

リク「……なんで？」

タツヤ「だって、お前、おれのこと…」

リク「（被せて）イケメンの幼馴染に彼女が出来たんだよ？嫌どころか、誇らしいね！俺の幼なじみはこんなにモテるんだ！って」

タツヤ「…そうか」

リク「あー……じゃあ、あれだね、もう一緒に学校行ったり、帰りに寄り道したり、できないね」

タツヤ「…そうだな」

リク「……あぁ！用事あったの忘れてた！先帰るな！！」

タツヤ「あっ、リク！」

リク「じゃっお幸せに！」

タツヤ「…」

リクM「そっか、彼女できたのかァ…彼女に、タツヤ取られちゃった…な…なんてね。いい事だ、そうだ、いい事、なんだ」

リク「だから……悲しくなんか、ない……」

_翌日

タツヤ「リク、数学の教科書貸して」

リク「……は？」

タツヤ「教科書。忘れたんだよ」

リク「いや、彼女に借りれば？」

タツヤ「同じクラスのやつに借りてどーすんだよ」

リク「……」

リクM「この幼なじみはどこかズレている……

俺の感性がズレているのか……？泣いて腫らした目が見えてないのか？」

リクM「……タツヤは、いつだってどこか変だ」

タツヤ「ないなら別のやつに借りる」

リク「…ないから別の人に借りてくれ」

タツヤ「……2限前数学だったの知ってるからな？」

リク「………わかったよ。……はい」

タツヤ「後で返すわ」

リク「…机に置いといて」

タツヤ「あいよ」

リクM「そっか、彼女、同じクラスなんだ……」

_休日、リク宅

タツヤ「リク？」

リク「……。…！？」

タツヤ「うわ、変な顔」

リク「……うっさい！人の部屋勝手に入ってきて言う言葉がそれかよ！」

タツヤ「いや、いつも勝手に入ってるじゃん」

リク「ってか、休日だよ！？彼女と会わなくていいの！？」

タツヤ「お前と彼女は違うだろ」

リク「……！！」

タツヤ「……なんだよ」

リク「……なんでもない！！」

リクM「……ずるい……今のは、ずるい……」

タツヤ「まぁいいや。サヤカからお土産預かったんだよ。お前にって。それ届けに来た」

リク「え、サヤ姉帰ってきてるの？」

タツヤ「一瞬帰ってきてお土産置いてまた出てったよ。忙しない姉だ。」

リク「そっか……挨拶したかったなぁ」

タツヤ「仕事で国内外飛び回ってるような姉だから、一瞬でも帰ってきただけ時間取った方だよ」

リク「そっか…お礼言っといて」

タツヤ「わかった。じゃあな」

リク「あ……うん、また…」

_後日、学校にて

タツヤ「リク、放課後暇？」

リク「……ひ、ま。」

リクM「何を考えてるのかさっぱり分からない……彼女、いるんだよな……？ってか、彼女って誰？見たことないし紹介もされてないから、実はそう言う夢でも見せられてる……？」

リクM「いやいや、別に紹介する必要はないけど、でも彼女できたって言われてから彼女と帰ってるとことか、一緒にいるところを見たことがない……」

リクM「謎……謎すぎる……」

タツヤ「…リク？」

リク「……なんでもない……てか何？買い物でも行くの？」

タツヤ「来週彼女が誕生日だから。プレゼント買いたくて」

リク「あぁ、そーゆー……」

リクM「お前は……そうだよな、そう言うやつだったな……

って、口に出して言わなかった自分を褒めてあげよう……（溜息）」

リク「（小声）俺も来週、誕生日なんですけど……」

タツヤ「……何か言った？」

リク「……！！なんでもない！」

タツヤ「じゃあ、放課後校門で待ってるから」

リク「わかった……」

_放課後

タツヤ「なんか違う…」

リク「…やけに時間かかるじゃん」

タツヤ「一応彼女に渡すものだから、ちゃんと選びたいじゃん」

リク「タツヤって、妙なところでこだわるよなぁ…」

タツヤ「リクが即断即決過ぎるんだよ」

リク「俺は買い物する時何買うか決めてから行動するんだよ」

タツヤ「食い物は即断即決出来ない奴がよく言う……」

リク「……帰っていいか」

タツヤ「だめ」

リク「はぁ……何をそんなに必死になって選ぶかねぇ。付き合ってまだ1ヶ月も経ってないだろ？」

タツヤ「気持ちの問題なんだよ」

リク「ふーん……」

リクM「その気持ちの問題とやらに付き合わされている俺の身にもなってくれ……」

タツヤ「なぁ、お前ピアス開けてたよな？ちょっと耳貸して」

リク「……どーぞ」

タツヤ「……」

リク「……」

リクM「俺の耳でイメージ固めるなよ…」

タツヤ「……これはリクの方が似合うな」

リク「……！」

タツヤ「やっぱ手軽に使えるものにするわ、アクセサリーだとお前にプレゼントするみたいでなんか違う」

リク「……帰る！」

タツヤ「え、リク！？」

リクM「俺の気も知らないで……！タツヤの阿呆！」

_休日、リク宅

リク「……頭痛い」

タツヤ「インフルってバカでも罹（かか）るんだな、移すなよ？」

リク「ならなんでいるんだよ…」

タツヤ「見舞い」

リク「帰れバカ、移る……」

タツヤ「ありがとうの一言ぐらい言えよ」

リク「ありがたくない」

タツヤ「……意地っ張り」

リク「うっさい……」

タツヤ「薬は？」

リク「飲みたくない……」

タツヤ「いや、薬は飲めよ」

リク「……寝てるのもだるいから、何もしたくないんだよ……」

タツヤ「……後で殴るなよ」

リク「……は？なに……、……！」

_

_

_

タツヤ「さっさと治せ」

_

リクM「タツヤは、よくわからない。」

リクM「わからないから、行動が予想できない」

リクM「一緒にいても、分からないものはわからない。」

リクM「だから、全ての行動に、きっと意味は無い」

リクM「と、思う……」

_後日

タツヤ「やっと治ったんだ？」

リク「治った」

タツヤ「おめでとう」

リク「…」

タツヤ「…なんか言えよ」

リク「……彼女は？」

タツヤ「……は？」

リク「だから、彼女！いるんだろ！？なんで彼女いるのにあんなこと出来るんだよ！？意味わかんねぇ！…ってか、俺ら男同士……」

タツヤ「あぁ、あれの事か……」

リク「あれって……そんな簡単な言い方で済ませるな…！」

タツヤ「……簡単だろ」

リク「…なっ！ふざけんな！タツヤがそんなやつだったなんて思わなかった！」

タツヤ「そんなやつで悪かったな」

_リクを抱きしめる

リク「……離せ！」

タツヤ「やだ」

リク「浮気者……！！」

タツヤ「……してねぇけど？」

リク「…………は？」

タツヤ「最初から、浮気もしてないし、本当は彼女なんて居ないよ」

リク「……は？どう言う事……」

タツヤ「あの日、彼女できたって言ってらどんな反応するかなって思って、それで言ってみたら信じるから」

リク「……え」

タツヤ「あの時はちゃんと言えなかったけど、お前、俺の事好きだろ？」

リク「……」

タツヤ「隠せてると思ってたのか？バレバレ。」

リク「……あ、遊ばれてた…って事……？」

タツヤ「楽しかったです。」

_言いながらリクの手首にブレスレットをかける

リク「…………これ…」

タツヤ「誕生日、おめでとう」

リナ「……」

タツヤ「で、どーすんの？」

リナ「……え」

タツヤ「男だからとか、関係ないけど？いいの？」

タツヤ「ちゃんと言わないと、ほんとに彼女作ってお前から離れるけど、いいの？」

リク「…え、やだ」

タツヤ「なら、付き合ってよ。俺男だけど(笑いながら)」

リク「付き合うって言うの分かってて聞くのは、ずるいと思います…」

タツヤ「だってお前、俺の事好きだろ？」

リク「……好きだよ！ばーか！！」