第十一話
天皇家の現状も、自分の立ち位置も。
父親である
でも、と、清原王は思う。
でも、それでも、私は嘉乃に逢いたい。
どうしようもなく。
逢いたくてたまらない。
この気持ちを何と表現すればよいのだろう?
嘉乃の顔が、何をしていても頭から離れない。
ただ、逢いたい。
愛しくてたまらない。
逢いたい。
清原王は
清原王が
「月原さま」
「嘉乃」
清原王は嘉乃をきつく抱き締めた。
嘉乃は清原王の背中に手を回し、瞳を閉じた。
月の光が二人を、あらゆる外敵から守るように降り注いだ――
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