第2話

約束の日、フラン研究所に向かうために、私を含めた数人が集まりました。集合場所に着いたころには、フランソワさんがいました。


フラン「今日はよろしくね、一織ちゃん」


一織「こちらこそよろしくお願いします、フランソワさん」


そこに、純さんと二人が来ました。


純「おはようございます」


フラン「おはようございます。純さんも、今日はよろしくお願いします」


純「俺に任せてください!人造人間の秘密、俺が暴いてみせますよ!」


カンナ「フラン、ほんとにこの人に任せちゃっていいの?頼りなさそうだけど」


フラン「しょうがないでしょ、こういう話って信じてくれる人少ないんだから」


葉月「落ち着きなよ、カンナ。怖くなっても、俺が守ってやるからさ」


カンナ「んもう、そういうとこ好き♡はーくん♡」


フラン「イチャつくなそこのバカップル」


ここの二人が、フランソワさんの友人の佐竹 カンナ(さたけ かんな)さんと、その彼氏の松浦 葉月(まつうら はづき)さんです。バカップルですね。私は迷惑を被らないならなんでもいいんですけどね。


カンナ「君が探偵の子かな?」


一織「はい。月影 一織といいます」


カンナ「アタシ、佐竹 カンナ。カンナでいいよ」


葉月「俺は松浦 葉月だ」


一織「よろしくお願いしますね、カンナさん、葉月さん」


カンナ「もー、さん付けしちゃって、可愛いんだからぁ」


一織「あはは…」


どうしよう。褒められたのはすごく嬉しいんだけど、どこが可愛いのかさっぱりわかんない。


フラン「ごめんね、一織ちゃん。カンナ、結構変なところあるから、困っちゃうよね」


一織「いえいえ、お気になさらず」


フランソワさんの友人への評価が厳しいです。


そんなところに、三人の大学生が合流しました。揃いも揃ってやつれた顔をしている人たちです。


涼「ふぁぁ、くっそ眠いわ〜」


フラン「あ、来た」


めい「おはよーございまーす。あんたがふらんそわ?」


フラン「はい。皆さんがオカルト研究会ですか?」


大雅「当たり前だろ!見て分かんねぇのか!」


フラン「ごっ、ごめんなさい」


めい「おちつこーよー、たいがくん」


大雅「うっせえ!お前みたいなブスが口出しすんな!」


涼「おいおい、落ち着けよ。そんなイライラしてもいいことなんてないぞ?」


大雅「チッ、うるせえなクソが!」


この人たちが本気で怖くなってきました。一人はやたらイライラしてるし、一人は発言がふわふわしてる…というか幼すぎるし。そう思っていたところに、もう一人の人が来ました。


涼「ごめんな、朝から。こいつら、情緒不安定なところあるから」


一織「あぁ、そうですか」


せやろなあ。


涼「改めて、僕は如月 涼(きさらぎ りょう)。このオカルト研究会のリーダーだとでも思ってくれ」


一織「私は月影 一織です。よろしくお願いします」


この人はまだ会話ができそうで安心なのですが、正直あとの二人が怖いです。だから、涼さんを通して名前を教えてもらいました。


涼「あっちの女が伊丹 めい(いたみ めい)。最近ダイエット成功して、体重が35キロに減ったらしいぞ」


めいさんは私と比べてもざっと15センチくらい背が低かったです。私は157センチなので、140センチ前後といったところでしょうか。だとしても、体重35キロは羨ましいです。どうやったらそこまで痩せれるんでしょうか?


涼「この男が師走 大雅(しわす たいが)。こいつは女癖が悪いから、気をつけないと襲われるかもな」


どうしてそんなこと言うんですかね。背は190ほどはあったので、パッと見ならモテそうです。ただ、あんなにイライラしてるところ見せられると、全く魅力的に思えないですね。


「これで全員ですかね」とフランソワさんが言ったところで、彼女から如月さんにこんなことを聞いていました。


フラン「吉崎さんは来ないんですか?」


涼「それが、なんか先に行っとくとかなんとか。僕たちもよく分かってないんだ」


山奥の研究所に一人で向かう?大丈夫なんですか?熊にでも襲われたら間違いなく詰みますけど…


って、いけないけない。そんなことに気を囚われてはいけないんでした。今回の依頼は、研究所の人造人間の噂の真相を確かめること。きっと安全ですし、吉崎さんのことはひとまず気にしないでおきましょうか。

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